マレーシア機撃墜事件裁判 地対空ミサイルシステム移動の動画を視聴

写真・動画

8日、オランダで続けられている2014年のウクライナ東部にて撃墜されたマレーシア航空MH17便撃墜事件の裁判の内容面審理にて、地対空ミサイルシステム「ブーク」がペルヴォマイシク方面へ移動する動画が視聴された。

ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

その他、裁判官は、MH17便撃墜の直後、20人の証言者が空に撃墜の形跡を見ており、さらに激しい音と爆発音を聞いた証言者もいると発言した。さらに、事件当日にミサイル発射地点の地域にいたと証言する者たちは、ブークを見た、ブークに関する話を聞いたという者もいるという。

証言者の一人は、軍事品の移動を目撃し、その後爆発音と空気を裂く音を聞き、その後飛行機が墜落したと報告しているとのこと。この証言者の発言を確認することを目的に、同人物の携帯電話のデータを分析したところ、同人物が事件当日の2014年7月17日に事件現場地域にいたことが確認されているという。この他、ロシアから来て、ウクライナを相手に戦闘をしていたという証言者は、事件当日、ミサイルの発射を見たと述べたという。

同日の審理はこれで終了した。10日には、すでに審理が再開されている。

審理の様子はオンラインで視聴可能となっている。

マレーシア航空機撃墜事件とは、2014年7月17日、アムステルダムからクアラルンプールへ向かっていたマレーシア航空機MH17がウクライナ東部ドンバス地方上空で武装集団により撃墜され、乗客・乗員合計298名全員が死亡した事件をいう。

2016年9月、国際共同捜査チーム(JIT)は、同事件の技術捜査の結果として、同航空機が、親露武装集団支配地域から地対空ミサイルシステム「ブーク」により発射された弾頭「9M38」により撃墜されたことを判明させた。

2018年5月24日には、JITは、MH17を撃墜したロシアのミサイルの破片を公開しつつ、ミサイルがロシアのクルスクを拠点とするロシア軍第53対空ミサイル旅団に属するものであることが判明したと発表した。

2019年6月、マレーシア航空機MH17撃墜事件の捜査を行う国際共同捜査チーム(JIT)は、同撃墜に関与した容疑者4名を公表している。

MH17事件の公判は2020年3月9日にオランダにて開始しており、とりわけ2021年6月7日からは事件の内容面の審理に移っている。