ウクライナ保安庁、逃亡していた親露政治家を拘束 プーチン氏に近い人物
12日、ウクライナ保安庁(SBU)は、自宅軟禁措置を破り、逃亡していた国家反逆罪容疑のかけられているメドヴェチューク最高会議(国会)野党生活党議員を拘束したと発表した。なお、メドヴェチューク氏は、プーチン露大統領の宗教上の親族であり、両者は非常に親しい関係として知られている。
拘束につき最初に発表したのは、ゼレンシキー大統領。ゼレンシキー氏は、インスタグラム・アカウントにて、「SBUのおかげで特殊作戦が実行された。素晴らしい! 詳細は後ほど。ウクライナに栄光あれ!」と書き込み、手錠をかけられ、迷彩服を着たメドヴェチューク氏の写真を掲載した。
その後、SBUは、テレグラム・チャンネルにて、バカーノウSBU長官による、本件についてのコメントを掲載した。
バカーノウ氏は、「お前は、親露政治家となり、何年も侵略国のために働くことはできる。お前は、最近は司法から隠れることもできている。偽装のためにウクライナ軍服を着ることすらできる。しかし、それが罰から逃れる上で役に立つだろうか? 否、全く役に立たない! 足枷がお前を待っている。お前と同じような、ウクライナの裏切り者たちもだ!」と発言した。またバカーノウ氏は、ロシア特殊機関のエージェントや親露裏切りものたちに対しては、「あなた方の犯罪に時効がないことは覚えておかねばならない。私たちが見つけられない隠れ家もない!」と伝えた。
アレストヴィチ大統領府長官顧問は、ユーチューブの番組出演時に、バカーノウ容疑者が拘束されたのはキーウではないと伝えた。
アレストヴィチ氏は、「メドヴェチュークがいたのはキーウではない。彼を拘束したのはSBUであり、SBUは、言うなれば、非常にデリケートに探し、探し、見つけたのだ」と発言した。
同氏はまた、「メドヴェチューク氏は、非常に価値ある人物だ。彼は、プーチン氏、ロシア、戦争、この戦争の準備、ウクライナにおける親露運動の組織、に関係ある人物である。彼は今に、非常に面白い詳細を話すことになるだろう」と指摘した。
ゼレンシキー宇大統領は13日未明、動画メッセージにて、本件につき改めてコメントした。ゼレンシキー氏は、「彼(メドヴェチューク容疑者)は、48日間隠れていた。そして、ようやく国外逃亡を試みたのだ。(中略)私は、軍の迷彩服を彼が利用したのは特にシニカルだと思っている。彼は、そうやって偽装しようとしたのだ。彼はその程度の『戦士』であり、その程度の『愛国者』である」と指摘した。
さらにゼレンシキー氏は、ロシアに対して、メドヴェチューク氏と拘束されているウクライナ国民の交換を提案するとし、「このあなたの青年と、現在拘束されている私たちの男性女性を交換することをロシア連邦に提案する。重要なことは、私たちの治安機関と軍人もまた、その機会を検討することだ」と発言した。
なお、メドヴェチューク氏は、2021年5月11日に国家反逆罪とクリミアにおける国家資源略奪未遂罪の容疑を伝達され、その後、裁判所により未決囚予防措置として自宅軟禁が言い渡されていた。
バカーノウSBU長官は同11日に、SBUにはヴィクトル・メドヴェチューク氏とタラス・コザーク同議員の侵略国ロシアとの違法活動の証拠があると発表している。
その後、今般のロシアによる全面的侵攻が始まった後、2022年2月27日、ヘラシチェンコ内務相補佐官が、メドヴェチューク容疑者が自宅軟禁措置を破り逃亡したことを明らかにしていた。