ゼレンシキー宇大統領、マレーシア航空MH17機撃墜事件につき「ロシアはウクライナの大地に悲しみと死をばら撒き続けている」
ウクライナのゼレンシキー大統領は17日、8年前のウクライナ東部におけるマレーシア航空機撃墜事件に関連して、犯罪者一人一人が責任を追及されると述べつつ、ロシアは今もウクライナの大地に悲しみと死をばら撒き続けていると強調した。
ゼレンシキー大統領がツイッター・アカウントに書き込んだ。
ゼレンシキー氏は、「MH17機の惨劇から8年目の日に、私たちの考えは、ロシアにより殺された無辜(むこ)の人々皆の遺族とともにある。現在もロシア連邦は悲しみと死をウクライナ大地にばらまいている。しかし、いかなるものも無罰のままにはならない! 犯罪者一人一人が責任を追及される」と書き込んだ。
マレーシア航空機撃墜事件とは、2014年7月17日、アムステルダムからクアラルンプールへ向かっていたマレーシア航空機MH17がウクライナ東部ドンバス地方上空で武装集団により撃墜され、乗客・乗員合計298名全員が死亡した事件をいう。
2016年9月、国際共同捜査チーム(JIT)は、同事件の技術捜査の結果として、同航空機が、親露武装集団支配地域から地対空ミサイルシステム「ブーク」により発射された弾頭「9M38」により撃墜されたことを判明させている。
同時に、民間調査グループ「ベリングキャット」は、MH17を撃墜した「ブーク」がロシア軍第53対空旅団発のものであることを判明させていた。ベリングキャットは、ソーシャル・メディアとオープンソース情報の独自の分析を通じて、MH17撃墜に関与した20名のロシア軍人を特定させた報告書を発表した。これら軍人の名前が写真付きで示されているこの報告書は、オランダの検察に渡されている。
2018年5月24日には、JITは、MH17を撃墜したロシアのミサイルの破片を公開しつつ、ミサイルがロシアのクルスクを拠点とするロシア軍第53対空ミサイル旅団に属するものであることが判明したと発表した。
なお、2019年6月、マレーシア航空機MH17撃墜事件の捜査を行う国際共同捜査チーム(JIT)は、同撃墜に関与した容疑者4名(イーゴリ・ギルキン(ロシア国籍、ロシア連邦軍元将校、ロシア連邦保安庁(FSB)元大佐)、セルゲイ・ドゥビンスキー(ロシア国籍、ロシア軍参謀本部情報総局(GRU)大佐)、オレグ・プラートフ(ロシア国籍、予備大佐)、レオニード・ハルチェンコ(ウクライナ国籍))を公表している。
MH17事件の公判は、2020年3月に始まり、2022年6月10日に終了した。現在、裁判官は判決に向けた準備を行っている。