日本の自衛隊、オデーサでの多国間海軍共同演習に初参加へ

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日本の自衛隊は、オデーサで毎年実施されている多国間海軍共同演習「Sea Breeze」に本年初めて参加する。

5日、ウクライナ国防省が同日の同省と日本防衛省代表者間の会談につき発表した

発表には、「日本の自衛隊が、今年の軍事演習『Sea Breeze 2020』に初めて参加する」と書かれている。

また、国防省発表には、アンドリー・ザホロドニューク国防相と陸上幕僚監部である廣惠次郎指揮通信システム・情報部長が会談したとし、その際、ウクライナと日本の間の国際防衛協力の基本的方向性が協議されたと説明されている。

ザホロドニューク国防相

会談時にはその他、ハイブリッド脅威への対抗についての協議が行われたとのこと。ウクライナ側からは、双方が共通で抱える、サイバー分野をはじめとした、現存の挑戦と脅威の性格を考慮した上で、両国間での経験の共有が重要だと強調したと伝えられている。

ザホロドニューク国防相は、日本側に対して、日本政府からウクライナ軍への一貫したサポートと支援につき謝意が伝えられ、過去数年活発化してきている両国間の軍事・政治対話の継続が不可欠であるとの発言があったとのこと。

発表によれば、アリーナ・フロロヴァ国防次官からは、日本側に対して、ウクライナ東部の統一部隊作戦の状況について報告があったとのこと。これに加え、ロシア連邦による、被占領下クリミアの軍事化に関する情報提供が行われた他、アゾフ・黒海地域にてロシアが行なっている不安定化の説明も行われたと書かれている。

更に、オレクシー・マルツェニューク国防次官が、同省の改革につき説明したとあり、特に、同省内のC4インテリジェンス(指揮、管理、コミュニケーション、コンピュータ化)をはじめとするデジタル化プロセスの状況を伝え、同プロセスにおける日本の経験の重要性を強調したと伝えられている。

ウクライナ参謀副総長のセルヒー・ベッサラブ中将は、同会談にて、ウクライナ・日本間の軍事協力の継続が不可欠であると指摘し、Sea Breezeを通じて日本の自衛隊との軍事協力の拡大をウクライナ側が期待していることを表明したとのこと。また、ベッサラブ中将から、自衛隊代表者がウクライナで実施される今年のSea Breeze 2020に参加することが本件における重要なファクターとなるとの指摘があったと発表された。

発表には、会談の終わりに、ウクライナ・日本間の防衛協力の基本的方向性が確認され、同分野において相互協力を継続することで同意があったと書かれている。

また、補足として、今回ウクライナを訪問している日本防衛省代表団が、ウクライナの独立の戦いにおいて戦死したウクライナ防衛者の追悼セレモニーに出席し、追悼碑に献花をしたことが発表された。

写真:ウクライナ国防省広報室