ウクライナ大統領府、国境付近の露軍再集結の情報を認めず
ウクライナ大統領府は、米報道機関がロシアがウクライナ国境付近に軍を再び集結させていると報じていることにつき、ウクライナは確認していないと発表した。
7日、セルヒー・ニキフォロウ・ウクライナ大統領報道官が国営テレビ局「家」出演時に発言した。
ニキフォロウ氏は、ウクライナ国防省は関連報道を心理的プロパガンダ圧力だと指摘しており、ウクライナ国境付近において通常水準以上のロシア軍の集結は確認されていないと発言した。
その上で同氏は、「米マスメディアがそのような情報をなぜ拡散したのか、それが本当なのかどうかは、オープンな問題であり続けている。しかし、大統領府は、現時点では、確認の取れた情報を一切有していない」と発言した。
また同氏は、最近、大統領の出席する分野別会議でも、ウクライナ軍総司令官は「何らかの懸念すべきようなことは何一つ述べていなかった」と伝えた。
これに先立ち、10月31日、米ワシントンポスト紙がロシア軍がウクライナとの国境沿いに戦力と兵器を再び集結させていると報じていた。
他方、11月1日、ウクライナ国防省情報総局は、ロシア軍の部隊・兵器の追加的投入は確認されていないと発表している。
同時に、1日、米政治ニュースサイト「ポリティコ」は、ロシア軍のウクライナ国境近くの再集結を示すものとする衛星写真を公開。米政権は同日、ロシアによるウクライナ国境沿いの動きにつき、同盟国と協議を行っているとし、米国防省は情勢を注視していると発表した。
2日、ウクライナ国防省は、2021年11月初頭時点のウクライナ国境付近及びロシア占領下クリミア・ドンバス一部地域に駐留するロシア軍兵力は約9万人だと発表している。