「ドイツは、ウクライナへの武器供与を拒否することで、平和確保に失敗している」=独紙

独ディ・ヴェルト紙は、ドイツ政府がウクライナへの武器供与を拒否していることが、ウクライナにおける平和の確保に役立っていないと指摘する記事を掲載した。

ディ・ヴェルト紙4日付掲載のアラン・ポザナー記者の記事に書かれている

「独社民党が回避している事をエルドアン(編集注:トルコ大統領)が行っている」と題する記事にて、ポザナー氏は、「これは独社民党にとって真の政治の小さな教訓だ。もし私たちがウクライナを助けなければ、他の国が助けることになる。私たちは、誰の命も救わず、平和も確保することなく、私たちは単に清い良心を買い取ろうとしているだけとなる。その際、私たちはキーウ(キエフ)での影響力は失い、クレムリンによる私たちへの軽視は強めることになる」と主張した。

ポザナー氏は、現在連立政権の形成を進めている社民党政治家たちは、ウクライナへの防衛用の武器供給を支持しないだろうと指摘した。

その上で同氏は、ウクライナにはトルコという別のパートナーがいると述べ、約1週間前にウクライナ軍がトルコから獲得した戦闘型無人機「バイラクタル」を使用し、占領軍の榴弾砲を破壊した出来事を喚起した。同氏は、その際ドイツ政府は「懸念」を表明し、独外務報道官は紛争圏における無人機の使用が許されるのは欧州安全保障協力機構(OSCE)に限定されていると発言したことを伝えた。

加えて、同氏は、「OSCEは2019年から停戦を監視している(編集注:ママ。実際には2014年からウクライナ全土で監視活動を行っている)。つまり、OSCEは、半凍結紛争が凍ったままである中で、友人たちの安全を保証するよりももっと大事な案件を持っている西側が、そのことを気にしていないことを見ているのだ。(編集注:もっと大事なことというのは、)例えば、対立者との間でガス合意を締結したりすることである」と指摘した。

同氏によれば、一方で、トルコのエルドアン大統領は、黒海地域においてロシア政権との間で不断の闘いを展開していると指摘し、例えば、トルコ製の戦闘型無人機が、昨年のアゼルバイジャン・アルメニア間のの短期間の戦争において、アゼルバイジャンを支持する上で決定的な役割を担ったことを喚起した。

同氏はまた、無人機バイラクタルのエンジンはウクライナが供給していることにも注意を向けた。

これに先立ち、6月1日、ゼレンシキー大統領は、ドイツからのウクライナへの武器供与を望んでいると発言。これに対して、ドイツのマース外相は、ウクライナへの武器供与は紛争解決に役立たないと指摘していた。