米・バルト諸国、ウクライナへ兵器供与へ
米国やバルト諸国は、ロシアによる国境付近や被占領地での軍集結が続くウクライナに対して、防衛用の兵器の供与を発表した。
米国は、サキ米ホワイトハウス報道官が21日の記者会見時に、ウクライナに対して輸送用ヘリコプター「Mi-17」を供与すると発表した。
サキ氏はまた、過去1年間、米国は安全保障分野で、過去最大の支援をウクライナに供与したとし、「過去1年で、6億5000万ドルをウクライナの安全保障へと拠出した。2014年以降では、私たちは総額27億ドルを拠出してきた。ウクライナ安全保障促進イニシアティブのような、伝統的な安全保障支援に加える形で、大統領は、致死性支援の供与の加速、防衛におけるウクライナの緊急需要の充足を指示した」と指摘した。
また、エストニアのERR局の報道によれば、ラトビア、リトアニア、エストニアのバルト3国の国防相たちは、21日共同声明を発出し、3国がウクライナへ武器を移動供与する許可を米国から得たことを発表した。
3国国防相は、「エストニア、ラトビア、リトアニアは、現行のロシアの侵略下にあるウクライナの主権と領土一体性を支持するために団結している。バルト諸国は、外交面や政治面でウクライナを支持し続けていくだけでなく、ウクライナの防衛力の強化も促進していく」と発表した。
具体的には、エストニアが対戦車ミサイルシステム「ジャベリン」を、ラトビアとリトアニアが地対空ミサイルシステム「スティンガー」をウクライナに供与するという。
3者は、「エストニア、ラトビア、リトアニアは、ウクライナへ安全保障支援を速やかに供与できるよう、同盟国とともに作業している。私たちは、ウクライナがこれら兵器を使わずに済むことを心から期待しているし、ロシア連邦に対して、その攻撃的かつ無責任な振る舞いを止めるよう呼びかけている」と発言した。
ラーネット・エストニア国防相は、ウクライナは現在、欧州とロシアとの軍事紛争を分け隔てる前線に位置しているとし、「私たちは、ウクライナの戦争は今日も継続していることを、明確にしておかなければならない。そして、ウクライナが侵略者に立ち向かえるようにするために、同国を全面的に支えなければならない。今日、米国から、武器を送るための必要な許可がある。武器を通じて、私たちは、私たちのサポートが言葉だけではないことを示している」と強調した。