ウクライナ国防相、領域防衛部隊の兵力は戦時には1万から13万に増えると説明
ウクライナのレズニコウ国防相は、ウクライナ全土にて設置された領土防衛部隊につき、平時の兵力は1万人だが、戦時には従軍契約をした民間人を加えて13万人強まで増員されると説明した。
24日、レズニコウ国防省がウクラインシカ・プラウダ通信に寄稿した。
レズニコウ氏は、「領域防衛部隊は、複数の要素で構成されている。一つ目は、平時の人員であり、1万人からなる。これは職業軍人であり、領域防衛部隊における契約で従事する。彼らは、大隊と旅団の運営・管理の核を形成する。平均すると、平時には、各大隊は約50名の職業軍人を、旅団は90〜120名の軍人を抱える。第二要素は、特別時の人員である。これは合計で13万人を超える。これは、選考を経て、領土防衛予備兵力の契約を結んだ民間人である。彼らの数は、大隊にて最大600人となる。彼らは、軍人の指揮下に入る。国家は彼らに武器を提供し、訓練と調整を行う」と説明した。また、領土防衛部隊の使命は、「自分の家に苦しみをもたらさないようにする」という非常にシンプルなものだと補足した。
さらに同氏は、領土防衛の組織は、軍人が文民政府と地方自治体と国民とともに行うと述べた。
同氏によれば、領土防衛部隊の骨格となるのは、旅団25個(各州+キーウ(キエフ)市1個配備)で、これが大隊150個強(各地区1個配備)を統括するという。また、90万人以上の都市、すなわち、ハルキウ、ドニプロ、オデーサでは、個別の旅団を形成することが法で認められている。その他、240万以上の人口を有す地域(ドニプロペトロウシク州、ドネツィク州、リヴィウ州、ハルキウ州、キーウ市)では、追加部隊の設置が可能となっている。
レズニコウ氏は、「かなりの程度で、領土防衛は、外部からの侵略を予防する手段である。敵は、突如の侵攻のメリットがないことを知ることになる。国境を越えた途端に、敵の足元から大地が燃え上がることになる。敵はいかなる街も通過できない。あらゆる十字路で敵が待ち伏せされるのだ。その間に、ウクライナ軍の基本勢力が展開される。そのため、敵は100回熟考することになるのである」と発言した。
同氏は、第三の要素は、地方自治体の志願者グループとなると指摘した。そのようなグループは、領域防衛部隊の司令部が主同士、ウクライナ軍総司令官が関連の決定を採択した場合に形成されることになるという。志願者グループは、小規模自治体にて、警備、観察といった補助的役割のために設置することが可能だという。その場合、志願者グループは、領域防衛部隊の軍事指揮官の課題にしたがって行動することになる。
レズニコウ氏は、現時点では、平時の人員が展開されていると述べ、平時の人員での部隊能力が構築されたら、特別時の予備兵力の体系的獲得(希望者との契約)が始められ、予備兵力の構築が終わったのちに、志願者グループ問題が検討されるという。
なお、2021年7月16日、ウクライナ最高会議(国会)は、大統領の提案した法案(第5557)「全国抵抗の基本」を採択していた。同法は、領域防衛、抵抗運動、国民の全国抵抗の課題、領域防衛・抵抗運動の組織、準備、活用の手続きを定めている。