「私たちはウクライナ版NATOを求めている」=宇露和平協議参加者
ウクライナ・ロシア和平協議にウクライナ側代表団一員として参加しているアラハミヤ最高会議(国会)与党「人民奉仕者党」会派長は2日、ウクライナにとっては米国、英国、中国、トルコ、フランスが安全保証国となることが重要だとの見方を示した。
アラハミヤ氏がテレビ出演時に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
アラハミヤ氏は、「私たちには、最小限のパッケージがある。つまり、それ抜きでは私たちは動かない。私たちは、自分たちの、ウクライナ版のNATOを求めており、私たちにとって重要なことは、侵略を受けた際に、最大かつ最も効果的な国がサポートを提供することである」と発言した。
同氏は、ウクライナの安全を保証する重要な国は核兵器を持つフランス、中国、米国だとし、それに加えて、ウクライナは、英国とトルコを同盟国として見ていると発言した。とりわけ同氏は、「トルコは私たちにとって非常に重要だ。なぜなら。同国は欧州で最大の軍を有しているからだ」と指摘した。
また同氏は、米国と英国は安全保証に最後に加わる国だろうと発言した。また、中国との協議状況に関しては、ウクライナのことを積極的にサポートしている他の国々と比べると、最も低い準備状況だと指摘した。他方で、アラハミヤ氏は、習中国国家主席の発言からして、「中国はコンセプト面では反対していない」との見方を示した。
さらに同氏は、「基本的には、前に進むには、これら5か国で十分となる。その後は、他の国の自由な参加だ。他の国が完全にそれら保証を与える、あるいは、もしかしたら、何らかの別の形で保証を与え得るなら、である。しかし、私たちには、将来のいかなる侵略からもウクライナを守ることが確かにできる良質な機構を有していると理解するための、その最低限が私たちにはある」と発言した。
同氏は、トルコ、ドイツ、イタリアというNATO加盟国3国がすでにウクライナへの安全保証を与える準備を表明したと伝えた。
なお、2月24日、ロシアは、ウクライナに対して全面的侵略を開始した。
3月29日、トルコのイスタンブルにて、ウクライナとロシアの和平協議が開催された。ウクライナは、同国の安全を保証する国際合意へ国連安保理常任理事国などの国々が署名し、合意が各国国会で批准されることや、15年間のクリミア問題の協議実施を提案。協議後、ウクライナ代表団の一人のアラハミヤ最高会議議員は、安全保証合意はウクライナのための安全を具体的に保証するきちんと機能するメカニズムでなければならず、保証国に、北大西洋条約機構(NATO)条約第5条に似た、義務の生じるもので、しかし、侵略があった際には、3日以内に協議を実施し、支援を提供するというものだとし、軍、武器、空の封鎖などの軍事支援の形を取り得るものだ、と説明した。
さらに同氏は、国連安全保障理事会常任理国、英国、中国、ロシア、米国、フランス、トルコ、ドイツ、カナダ、イタリア、ポーランド、イスラエルを潜在的安全保証国と見ていると発言している。