スペイン・デンマーク、ウクライナへの軍事支援を発表
21日、キーウ(キエフ)を訪れたサンチェス・スペイン首相とフレデリクセン・デンマーク首相はそれぞれ、ウクライナへの軍事支援を発表した。
サンチェス首相とフレデリクセン首相がゼレンシキー宇大統領との共同記者会見時に発表した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
サンチェス首相は、「新しい武器の貨物がウクライナへ発送されたことを発表したい。今日スペインの港からポーランドに向けて出航したスペインの船『イザベル』が、200トンの弾薬とその他の物、軍用品からなる30の貨物、20台の装甲車を運ぶ」と発言した。
サンチェス氏は、その規模はスペインがこれまで他国に送ったことのあるものより二倍多く、またスペインがこれまでにウクライナに送った貨物よりも多いと指摘した。
その上で同氏は、「私たちは、この戦争がウクライナの勝利で終わって欲しいと思っている」と強調した。
フレデリクセン首相は、デンマークは9000万ドルをウクライナの武器購入のために拠出すると発表した。同首相は、「大統領、私はあなたに今日、武器のための約6億デンマーク・クローネ、つまり9000万米ドルを含む新たな著しい貢献を発表する。それにより、デンマークの軍事貢献は計10億クローン(編集注:約1億4600万ドル)となる」と発言した。
またフレデリクセン氏は、地雷除去にも関わると指摘した。加えて同氏は、人々が家に帰還できるように、各地の復興にも携わるべきだと発言した。
同氏は、「私たちはあなた方とともに、ウクライナの再建への道を敷設したい。特に、あなた方がロシアを撃退できた場所でだ」と述べた。
さらに同氏は、最初からデンマークはウクライナへ、政治的、財政的、軍事的なものを含む、著しいサポートを提供してきたと発言した。
ゼレンシキー大統領は、改めて、ウクライナは国際パートナーからの重火器供与を必要としていると発言した。ゼレンシキー氏は、「人々は団結した。それは些細なことではない。しかし、残念ながら、現在それだけでは、あのような大きな軍と対峙するには少なすぎるのだ。例えば、機材や、(ロシアの)何万もの軍のことだ。彼らには何千もの戦車、何千もの装甲車、火砲、あらゆるもの、ミサイルがある…。私たちは今、耐えている。今は私たち自身が『生きる塀』となっている。しかし、私たちは、数に限りのある、英雄である私たちの戦士たちが『塀』となるのではなく、重火器があれば、と思う。重火器が不足しているのだ」と強調した。
ゼレンシキー氏はまた、サンチェス首相とフレデリクセン首相との会談では、ウクライナへの武器供与について協議したとし、両国が所有している「いくつかのもの」について期待をしていると発言した。
その他ゼレンシキー氏は、ロシアでは何人兵が死のうがお構いなしだが、ウクライナではそうはいかないとし、「私たちは命を守りたい。そのためには機材が必要なのだが、率直に言う、それは足りていない」と発言した。
なお、21日、サンチェス・スペイン首相とフレデリクセン・デンマーク首相が共同でキーウを訪れた。また、両者はゼレンシキー大統領との会談前に、キーウ州のボロジャンカも訪問している。
写真:大統領府