「ウクライナは毎日最大100人の兵を失っている」=レズニコウ宇国防相、武器提供の加速を呼びかけ

ウクライナのレズニコウ国防相は9日、ロシアによる侵略戦争につき、前線の状況は厳しいとし、ウクライナは毎日最大100人の軍人を殺されており、最大500人が負傷していると伝えた。

レズニコウ国防相がフェイスブック・アカウントに書き込んだ

レズニコウ氏は、ロシア軍は「自らの帝国的エゴを満たすことを目的に、人命を捧げるための多くの手段の備えを持っている」と指摘し、そのため、ウクライナは武器、特に重火器が必要であり、しかも非常に迅速に受け取られねばならないことを強調していると述べた。同氏は、「私たちは、多くの国と異なり、クレムリンに対する恐怖を抱いていないことを証明した。しかし、私たちは、国として、血を流すこと、最善の息子・娘たちを失うことは許されていない」と強調した。

その上でレズニコウ氏は、国家の現在の課題は次のものとなると指摘した。

・北大西洋条約機構(NATO)の用いる多連装ロケットシステムとその弾薬を大量に受け取る。

・現存のソ連タイプの口径の火砲(砲台は古く、砲弾は生産されていないか、残存数が少ない)を、NATO加盟国にて普及しているタイプへと完全に切り替える。

・防衛支援を、個別兵器を供給する形態から、戦闘課題遂行能力のある部隊全体を準備する形態へと移行することでパートナー国と合意する。これにより戦場での効率は著しく向上する。

・数百の重火器を受け取る。これがなければ効果的な反攻は不可能。ソ連製機材はその古さから、戦闘で使うためにメンテナンスが必要であることを考慮すべき。ウクライナは、パートナーからは今のところ相当軽い装甲機材を受け取っており、必ずしも武器を搭載したものではない。

・戦闘機と防空システム、ミサイル防衛システムを受け取る。

また同氏は、武器提供の速度と数に満足しているとは言えないとしつつ、同時に「私は私たちを支えてくれている国々に限りなく感謝している。特に、米国、英国、ポーランド、バルトの友人たちだ。そして、ロシアの悪を抑える支援をしてくれている全てのその他の国にもだ」と発言した。

同氏は、ウクライナ社会、ボランティアたちの役割にも言及し、彼らの素早く柔軟な行動によって、重要な需要を満たすことができているとし、無人機や通信機材、その他、国家が完全には用意できていない物品をウクライナ国民が軍に提供してくれていることを指摘した。

その他同氏は、「私たちは達成だけを見ているわけではなく、過ちも見ている。私たちは、全てのシグナル、批判も受け取っている。私たちは、自らの弱点を把握しているし、それを正すために熱心に仕事をしている」と指摘した。

同時に同氏は、国家の軍事・政治首脳陣全体の相乗効果が維持できていることが主要な成果だと述べ、「これが私たちの国としての優位であり、私たちは、すでに支持率や政治的展望のために活動している人々に、その優位を揺るがせることはさせない。すでに指摘したように、ウクライナの勝利のために防衛に携わる全ての人が一つのチームである。私たちの共通の目的は、どんなに困難であろうとも、ロシアを克服することである」と強調した。

他方で同氏は、前線の状況は厳しいとし、「私たちは毎日、最大100人の戦士を殺されており、最大500人が負傷している。クレムリンは規模でもって圧力を加え続けている」と指摘した。また、ロシア軍も強力な抵抗を受け、多大な損失を出しているが、個別の方面では前進するだけの力をまだ有していると評価した。

なお、ウクライナでは、2月24日からロシアによる全面的侵略を受けている。とりわけ、ロシア軍は、4月中旬からウクライナ東部に戦力を集中させて、侵攻を続けている。

写真:大統領府