NATO加盟の展望は短期的にはないため、ウクライナは現時点で加盟に向けた行動を行わない=宇大統領府副長官
ウクライナのジョウクヴァ大統領府副長官は、ウクライナは、北大西洋条約機構(NATO)の加盟国の立場により、短期的展望では加盟が不可能であることを理解しているため、現在、NATO加盟に向けて何かをするつもりはない、他方でウクライナとのパートナーシップが文書上に記述されることは望んでいると発言した。
ジョウクヴァ副長官が英フィナンシャル・タイムズへのインタビュー時に発言した。
ジョウクヴァ氏は、ウクライナはNATOの短期的展望での加盟が不可能であることを認めているものの、他方で、NATOがマドリードでの首脳会談時に採択する新しい戦略コンセプトにおいて、ウクライナとのパートナーシップを認めることを望んでいると指摘した。
さらに同氏は、NATOが刷新する同コンセプトにて、欧州の安全保障における、ロシアとの戦争を行っているウクライナの中心的役割を認めることを望んでいると述べた。
同氏は、「私たちは、ウクライナが欧州の安全保障の基礎であるとの理解を得たいのだ」と発言した。
同氏はまた、ウクライナはNATOの新しい戦略コンセプトの議論には加わらないものの、自らの提案を同盟国に送ったと述べた。「もしNATO加盟国が欧州、ウクライナで起きている真の状況を暴かないのであれば、その文書はもう一つの全く重要性の欠いたものとなってしまうだろう」と指摘した。
その他同氏は、ウクライナは、NATOの戦略コンセプトからNATOの「パートナー国としてのロシア」という表現が全て削除されることを望んでいると述べた。2010年版では、NATOがロシアとの間で「真に戦略的なパートナーシップ」を望んでいると書かれており、NATOとロシアとの協力は戦略的に重要だと記述されているという。
その上で同氏は、「私たちは、NATOの戦略コンセプトにて、侵略国ロシアに対するより強固で厳しい警告が記述されることを期待している。ロシアに関する項目の表現に恥ずかしがらないで欲しい。それが私からNATO加盟国への呼びかけだ」と発言した。
また同氏は、NATO加盟国の中には、ロシアとの対話のための道を残しておきたがっている国があると指摘した。
加えて同氏は、ウクライナにおける戦争について同文書に書かれることが重要だとも発言した。
さらに同氏は、ゼレンシキー宇大統領が、G7首脳会談とNATO首脳会談にオンラインで出席し、ロシアとの戦争が終わった後での、G7からのウクライナのための安全の保証の提供について要求を繰り返すと説明した。