ウクライナはＮＡＴＯ完全加盟への道は外れない＝大統領府長官

ウクライナのイェルマーク大統領府長官は２９日、ウクライナには北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）の「オープンドア」幻想には満足していないが、ＮＡＴＯ完全加盟の道を外れることもないと発言した。

イェルマーク大統領府長官がＮＡＴＯパブリック・フォーラムでのスピーチの際に発言した。大統領府広報室が伝えた。

イェルマーク氏は、ウクライナにおける戦争は世界のあらゆるプロセスを加速させ、生活はもはやかつてのようにはならないし、新しい安全保証体制を一緒に築く必要があると発言した。

同氏はまた、「私たちは、ＮＡＴＯがすでに変わっていっていること、私たちのパートナー国であり友好国であるスウェーデンやフィンランドを加える方向に向かっていっていることをとても嬉しく思う。また、ウクライナにとっての安全保証の効果的メカニズムを作ることも、新しい安全な世界へ向けた重要な一歩となる」と発言した。

さらに同氏は、ＮＡＴＯは世界における最も理想的な安全の傘であるとしつつ、「ロシアを苛立たせない」という誤ったアイデアが２００８年に広まらなければ、現在ウクライナでは戦争が起きていなかった可能性は大きいと指摘した。

また同氏は、ウクライナは「オープンドア幻想」（編集注：ＮＡＴＯが全ての国に開かれているとする「オープンドア・ポリシー」を揶揄した表現）には満足していないが、ウクライナはＮＡＴＯ完全加盟への道からは外れないとも発言した。

そして、「ウクライナ軍とウクライナの民全体が毎日、自らの勇敢さでもって、私たちのＮＡＴＯ加盟はＮＡＴＯを強化するものだということを証明している」と強調した。

同氏は、自身がラスムセン前ＮＡＴＯ事務総長と新たな安全保障システムの設計の一環で、諮問国際作業部会を設置したと伝え、複数方策を実現する予定だと述べた。

また同氏は、米国、ＥＵ、その他のパートナーたちに対して、ウクライナへのサポートにつき多大な感謝を表明した。

同氏は、「私たちは皆で一緒にロシアに勝ち、侵略者を罰さねばならない。そして、私たちの民のため、次の世代のために、一緒に世界をより安全にすべきだ」と強調した。

なお、２８〜３０日、マドリードにて、ＮＡＴＯ首脳会談が開催されている。