NATO加盟はウクライナの長期的目的であるも、加盟までの安全の保証が必要=宇大統領府長官
ウクライナのイェルマーク大統領府長官は11日、北大西洋条約機構(NATO)加盟はウクライナの長期目的であり続けているが、加盟までの期間、ウクライナには同盟国からの安全の保証が必要だと発言した。
イェルマーク大統領府長官が英ガーディアン紙への寄稿につきテレグラム・チャンネルにて報告した。
イェルマーク氏は、「私たちの国家の長期目的はNATO加盟であり続けているが、しかし、私たちには(編集注:加盟までの期間)同盟国から、武器供与、インテリジェンス情報交換、私たちの防衛産業や経済能力へのサポートといった、法的義務の保証が必要だ」と発言した。
同氏はまた、ウクライナはすでに「ブダペスト覚書」という失敗の経験を有しているとし、同覚書はロシアの野心を乗り越えられず、実質的に、その過去の過ちが、世界中の安全保障を脅威に陥れたと指摘した。
そして同氏は、そのため現在ウクライナと世界の安全のために、真の安全の保証を策定することが重要となっているとの見方を示した。
同氏は、「それは、ウクライナと世界各国の利益に適うものだ。その保証は、世界秩序の柱の1つとなり得るものである」と強調した。
同時に同氏は、ロシアが署名して、文言を遵守するような和平合意は存在しないと指摘した。同氏は、「ロシア連邦のシリアでの行動や、同国のクリミア奪取後の振る舞いを見れば、ロシアが、妥協的決定を模索することなく、和平協議を注意逸らし、罠として利用するのは明白である」と発言した。
同氏はさらに、特別に設置された安全保証国際グループ(編集注:イェルマーク氏とラスムセンNATO前事務総長が率いる)が近々、国際社会に対する勧告を発表する予定だと伝えた。同氏は、「説得は機能しない。必要なのは保証だ」と強調した。
写真:大統領府