ゼレンシキー宇大統領、ウクライナの防空支援のために協議をしている国に言及
ウクライナのゼレンシキー大統領は15日、同国は効果的な防空システムを必要としているが、世界にはその支援を行える国はそれほど多くはなく、限られた国との間で支援に向けた協議を行っていると発言した。
ゼレンシキー宇大統領がキーウ(キエフ)を訪れたフォンデアライエン欧州委員会委員長との共同記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
ゼレンシキー氏は、「私たちは本件につき、フランス、イタリア、ドイツと作業する準備がある。私たちには真剣な準備がある。ただし、今のところイスラエルからは肯定的な反応が得られていない。概して、防空の観点で私たちの空の閉鎖を何らかの形で保証できる国というのは、それほど多くはないのだ。その5つの国(編集注:ママ)の周りで、本件は解決せねばならない」と発言した。
ゼレンシキー氏は、防空ミサイル「ナサムス(NASAMS)」と「アイリスティー(IRIS-T)」の供給に関しては肯定的な結果があると述べた。同氏は、ドイツとの間で「私たちは複数の(アイリスティー)システムを期待している。今のところ一つも受け取っていない。米国との間でも同様だ。私たちは待っている。この進展を支持してくれていることを感謝している。ナサムスも待っている」と発言した。
その他同氏は、ウクライナ国民が避難先の国から戻って来られるように、ウクライナは自国民のために安全な条件を作り出さなければならないと発言した。同氏は、「何よりまず、教育インフラの再建を迅速に行わねばならない。子供たちが戻って、通うための学校などだ。学校がまだ再建されておらず、機会がないところではいずれもオンライン教育をせねばならない。学校以外に、大学、幼稚園などもだ。私たちは、迅速なリノベーションの可能性はあると理解している。それについて、私たちには資金が必要だということを(編集注:フォンデアライエン欧州委員長と)話した。その点につき、私は、米議会、バイデン米大統領、それから欧州委員会、フォンデアライエン氏に対して要請した。今年必要な資金もしたし、来年必要な次のトランシュの話もした」と発言した。
同時に同氏は、ウクライナ国民がウクライナへ帰還することには疑いはないと述べ、「思うに、ウクライナ国民の心の中の動機を探す必要はないと思っている。彼らは国を愛しているし、家に帰りたがっている」と発言した。
その他同氏は、フォンデアライエン氏とは、第8対露制裁パッケージについても話し合ったと伝えた。
なお、フォンデアライエン氏は15日、キーウを訪問した。同氏のキーウ訪問は、2月24日以降3回目となる。
フォンデアライエン氏は、全面的侵攻開始以降、EU各国に避難していた約800万人のウクライナ国民の内、約500万人はすでにウクライナへ帰国したと発言した。