メツォラ欧州議会議長「ウクライナには重火器が必要 EUは次の行動の準備をすべき」

メツォラ欧州議会議長は、欧州連合(EU)からウクライナへのさらなる武器提供支援が必要だと主張している。

メツォラ議長が28日にベルリンで開催されたイベント「欧州のアイデアの夜」の際の演説時にウクライナへの更なる軍事支援の必要性を訴えた

メツォラ氏は、欧州を今後待ち受けているのは、インフラの嵐、政治的不確実さ、食料不足、生活費の高騰、エネルギー備蓄の現象とエネルギー価格の急騰といった、新たな困難な時代だと発言した。そして、同氏は、ロシアの対ウクライナ戦争の文脈の中で、それらの挑戦と闘わねばならないと指摘した。

同氏は、「私たちは決定採択の段階にある。ウクライナには、生き抜くための武器が必要だ。同国の防衛産業の大半は破壊されたが、私たちの国、EU加盟国の多くが介入しており、そのため、ウクライナは3月に耐えることができた。しかし、現在の戦争の次の段階では、ウクライナは重火器が必要となる。戦車が必要であり、私たちは、次のステップをとれるようにしなければならない」と強調した。

その上で同氏は、ウクライナ支援のあり得る2つの計画を紹介した。その1つは、「レオパルド戦車イニシアティブ」という、ウクライナへ戦車「レオパルド2」を約90台提供するものだという。

同氏は、「私たちは、戦闘準備のない戦車であっても、比較的迅速に再生させることができることを知っている。つまりそれは、現代的スタンダードの戦車には迅速にアクセスできるということだ。(その計画では)戦車を提供している国々が欧州平和ファシリティのような欧州の基金から補償を受け取れるようになる。それはつまり、皆がその努力へと貢献できるようになることを意味する」と発言した。

同氏によれば、もう1つの計画は、「レンドリースプログラム」だとし、ウクライナにEUの軍事産業への直接のアクセスを得られるようにするものだという。

また同氏は、「私たちの加盟国が努力を団結させれば、どのような国も、自らの防衛能力の過度の悪化を被ることはない」と強調した。

そして同氏は、「どちらの計画案も、支持者と反対者がいる。どちらも完璧ではないが、しかし何も行わないという案はない。自己満足のための時間はない。そのためには、政治意志のみが必要なのだ」と指摘した。また、同氏は、欧州は「特別な決定から、NATOと競合するのではなく、補完する、真の安全保障と防衛の同盟へと移行せねばならない」と強調した。