ウクライナ、NATO簡素手続加盟の申請提出を発表

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ウクライナのゼレンシキー大統領、ステファンチューク最高会議(国会)議長、シュミハリ首相は30日、簡素手続きによる北大西洋条約機構(NATO)加盟の申請書に署名した。

ゼレンシキー大統領の動画メッセージが公開された

ゼレンシキー氏は、「私たちは、実質的に同盟者である。それはもう達成された。実質的に、私たちはもうNATOへの道を通り抜けた。実質的に、私たちはもうNATO基準との相互運用性を証明した。それらはウクライナにとって、戦場でも私たちの連携のあらゆる側面でも現実となっている」と発言した。そして、同氏は、「私たちは互いに信頼し合っており、私たちは互いに助け合っており、私たちは互いに守り合っている。それが同盟だ。実質的な」と述べた。

その上で同氏は、「今日、ウクライナは、それ(同盟)を法的なものにすべく、申請書を提出する。私たちのコミュニティ全体の防衛の重要性に合致した手続き、すなわち簡素手続きによる加盟申請だ」と発言した。

同氏は、現在ウクライナにおいて民主主義と宣誓主義の対立の運命が決められているのであり、ウクライナの国境の強固さによって、全ての欧州国家の国境の強固さを高めることができると指摘した。

同氏はまた、フィンランドとスウェーデンがNATO加盟手続きを加盟行動計画(MAP)なく始めたのだから、ウクライナもNATO加盟を簡素手続きで実現することができると主張した。

そして同氏は、「それが公平だ。ウクライナにとっても公平だ。(中略)私たちは、それがNATO全加盟国のコンセンサスを必要とするものであることは理解している。そのようなコンセンサスを得なければならないことはわかっている。そのために、その間に、今のところは、私たちは、キーウ安全保障盟約(Kyiv Security Compact)に従ったウクライナと欧州全体のための安全の保証に関する私たちの提案の実現を提案する」と発言した。

なお、2019年10月30日、クレーバ宇外相は、ウクライナは2008年のNATOブカレスト首脳会談時にMAP取得申請を提出しており、ウクライナ政府はそれが現在も有効であるとみなしているため、追加の申請は行わないと発言していた。今回のゼレンシキー大統領が署名した申請書は、「簡素化手続き」でのNATO加盟申請という点が当時の申請と異なる点となる。