ゼレンシキー宇大統領、ウクライナの安全保証のための国際会議の開催を要請
ウクライナのゼレンシキー大統領は15日、G20首脳会談へのビデオ演説の際に、欧州大西洋空間における、ウクライナのための保証を含む、戦後安全保証の重要要素を確認するための国際会議の開催を呼びかけた。
ゼレンシキー大統領がバリで開催されているG20首脳会談の参加者に対してビデオ演説にて呼びかけを行った。
ゼレンシキー氏は、ウクライナはどの同盟の加盟国でもなく、ロシアの戦争はウクライナが欧州大西洋世界(北大西洋条約機構(NATO))とロシアの帝国主義の間の「グレーゾーン」にあり続けたことから始まった可能性を指摘した。
同氏はまた、「今も、私たちには何の安全の保証もない。このようなロシアによる私たちに対する侵略を繰り返させないためにはどうするか? 私たちは、効果的な安全の保証を必要としている。そのため、キーウ安全保障盟約合意案を作成し、すでにパートナーたちに提案した。よって、欧州大西洋空間における、ウクライナにとっての保証を含む、戦後安全保障構造の重要要素を確認するための国際会議を開催せねばならない」と発言した。
さらに同氏は、その国際会議の主要な結果は「キーウ安全保障盟約」の署名とならねばならないとし、「私たちは、それ(署名)をいつでも行える。年内でもだ。私たちはそれを行わねばならない」と強調した。
その他同氏は、ロシアは、ウクライナ領から自国軍部隊を全て撤退させねばならず、ロシアとの間の国境の全ての地点におけるウクライナのコントロールが回復されねばならないと発言した。同氏は、それが真の完全な戦闘行為の停止になるのだとし、「それを日々遅らせることは、ウクライナ人のさらなる死、世界にとっての新たな脅威、ロシアの侵略継続による損害の甚大な増大を意味する。世界の人々皆にとっての損害だ」と指摘した。
同氏はまた、ウクライナ軍がウクライナ領土を解放している時、ロシアはあらゆる場所で拷問所や大量埋葬地を立ち去ることになっていると発言した。そして、「ブチャやその他北部の町々で占領が終わった時と同じだ。ハルキウ州でもそうだった。現在、ヘルソン州でも同様のことを目にしている。現時点で、私たちは、ロシアの攻撃で殺された430人の児童に関する完全な情報がある。児童だけの数だ! しかも、私たちが確実に把握している者だけの数だ。ロシアがまだ支配し続けている領土では、どれだけの大量埋葬があるのだろうか? 私たちは、マリウポリで何を目にすることになるだろうか?」と発言した。
さらに同氏は、世界はロシアの対ウクライナ侵略の犯罪のための特別法廷を認め、この戦争の全ての損害の賠償のための国際メカニズムを設置すべきだと強調し、賠償はロシアの資産で支払われるべきだと指摘した。
そして同氏は、「すでに私たちが提案し、ロシアの戦争にて生じた損害の国際補償メカニズムに関する国連総会決議がある。決議は採択された。私たちはその行使を要請する。また、特別法廷に関する第2の決議を用意している。同決議に加わり、決議を支持するようお願いする」と呼びかけた。
写真:大統領府