イタリアは技術的問題が解決したらウクライナに防空システムを提供する予定=伊外相

イタリアのタヤーニ外相は、同国はウクライナに対して、防空システムを提供する意向を有しているが、同国政府は提供の前に技術的問題を解決する必要があると発言した。

ロイター通信が報じた

ロイターは、ラ・レプッブリカ紙が9日に、ウクライナに対する新たな兵器の提供が、政治的緊張、価格考慮、装備不足を理由にして来月まで延期されたと報じたことを受けて、タヤーニ外相が今回発言したのだと指摘した。

2週間前には、ゼレンシキー宇大統領が、イタリアはメローニ伊首相との電話会談後に同国はウクライナに対して防空システムを提供することを検討していると発言していた。同電話会談では、メローニ首相はウクライナへの「完全な支持」を確認していた。

他方、同電話会談後すぐに、クロゼット伊国防相が、イタリアが仏・伊製「SAMP/T」といった防空システムをウクライナにイタリアが供給できるかどうかという議題について慎重な発言をしていた。

タヤーニ首相は、イタリアはフランスとの間で、SAMP/T配備に先立つ問題の解決について作業をしていると発言し、「ブレーキなど何もない。しかし、時間が必要だ。なぜなら、機器を作動させる上での技術的問題がある。軍の指導部がその作業を行っている」と述べた。

ラ・レプブリッカ紙は、匿名の関係者の発言を引用し、メローニ首相はウクライナの堅固な支持者であるが、ウクライナへの武器提要に関する命令の採択に際して、右派連立政権内の「同盟」のサルヴィーニ氏と「フォルツァ・イタリア」のベルルスコーニから抵抗を受けたと報じている。同時に、両党の関係者は、両党にはその命令との間に問題はないと表明したという。

もう1つ、提供の決定を妨げているのは、提供後のイタリア軍における防空システムの不足への懸念だという。

写真:European External Action Service Follow/Flickr