ミシェル欧州理事会議長、キーウ訪問 ゼレンシキー宇大統領と武器提供等協議
ミシェル欧州理事会議長は19日、ウクライナ首都キーウを訪問し、ゼレンシキー大統領と会談した。ミシェル氏は、今次戦争は次の週にも決定的な瞬間が来るかもしれないのであり、ウクライナは重火器と防空システムを必要としていると発言した。
ミシェル氏がゼレンシキー大統領との共同記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
ミシェル氏は、欧州連合(EU)はウクライナに対する武器供与につき非常に迅速に決定を採択したと述べ、「それは、EU史上初めてのことだった。全面的侵攻が始まった、最初の数時間、数日、私たちはウクライナに重火器を送ったのだ」と発言した。
また同氏は、ウクライナは最近、重火器や防空システムを受け取っているとし、「私は、それを続けるべきだと思っている。私たちは、その点であなた方を支えたいと思っている。なぜなら、今次戦争において次の週が決定的な時となるかもしれないからだ。正にそのために、そのような決定が必要なのだ」と発言した。
同氏はさらに、EUは初めて、ウクライナの軍人1万5000人のための軍事訓練の能力を動員したと喚起した。
同氏は、「あなた方はEUをあてにして良い。私たちは、不変のサポートを続けるし、私たちは常にあなた方の側にいる。なぜなら、私たちは共通の夢を共有しているからだ」と発言した。
ゼレンシキー宇大統領は、欧州のいくつかの首脳たちがウクライナ軍人のために武器を提供するのに必要な決定を採択するのが早ければ早いほど、ウクライナ国民や欧州市民の安全をより良く守ることができると発言した。
またゼレンシキー氏は、ミシェル氏にキーウ訪問へと感謝し、同日の会談では今後の対露制裁の強化や自身の提案している「平和の公式」の実現に向けた行動について協議したと発言した。
武器提供につき、ゼレンシキー氏は、諸外国に対して、ウクライナに対して戦車を提供するよう呼びかけた。
同氏は、「戦車の問題は喫緊かつ非常に機微であり続けている。その問題は、多くの理由にかかっており、残念ながら、ウクライナの願望には左右されないものである。私たちは、可能な範囲で、政治的に圧力をかけているが、その際最も重要なことは、私たちは根拠を示して圧力をかけていることである。ロシア連邦の何千もの戦車に対して、私たちの軍人の勇敢さとウクライナの人々の動機だけでは足りないのだ」と強調した。
同氏はまた、ウクライナは対応する武器が必要だとし、大量の榴弾砲システムか、あるいは、ロシアと同数とは言わないまでも、「対応する適切な数の」戦車を必要としていると指摘した。
さらに同氏は、すでに多くの国がウクライナに対して戦車を提供する準備を表明したが、それらの国は別の国からの許可を待っていると伝えた。そして、「ポーランドにも、フィンランドにも、ポルトガルにも、スペインにも準備があり、さらに少数なりとも戦車を保有し、ウクライナに提供する準備のある国は、十分な数だけある。それらの国は、前からそれを実現する準備を有していた。私たち皆が、関連のライセンスを出す権利を有している国(編集注:ドイツ)の同意を待っているのだ」と強調した。
同時に同氏は、ウクライナは、パートナー国からの支援に期待しているだけではなく、自国の武器製造に向けても活動していると発言しつつ、「私たちの隣人に準備をさせないためにも、その詳細については話す準備はできていない」とも発言した。
その他同氏は、ウクライナがパートナー国から受け取っている武器の数は現時点で十分ではないとし、武器提供の速度にウクライナ国民の命がかかっていると発言した。
また、1月20日に開催されるウクライナ防衛支援コンタクトグループ(ラムシュタイン会議)会合につき、ゼレンシキー氏は、「ラムシュタインへ向けては、私たちは強力に準備してきた。いくつかの重要な対話を行った。いくつかの国には頭を下げねばならない。なぜなら、それらの国は、私たちが全てを守れるよう、私たちの『人』を守れるように、彼らの持っているあらゆる物を提供しているからだ。そのため、少し後で見てみようではないか、ラムシュタインの結果で判断しよう。期待はポジティブだ」と発言した。