ドイツ政府、ウクライナへの戦車提供の可能性を排除せず 「協議を続けている」

ドイツ政府のヘーベシュトライト報道官は23日、ドイツは、ウクライナへの主力戦車提供可能性の検討を続けているが、しかし、国民感情も考慮に入れなければならないと発言した。

ヘーベシュトライト報道官が記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

ヘーベシュトライト氏は、「ドイツは、軍事支援をはじめ、非常に強力な支援を提供している。私たちはウクライナ人を放置しない。それが公的な立場だ。(中略)私たちは協議を続けている。ドイツ政府は、戦車レオパルトの提供可能性を排除していない。私たちは、ただまだ決定していないだけだ」と発言した。

同氏はまた、現時点で協議されているのは「さらなる良質な行動」であり、「それは数か月かかる問題とはならない」と指摘した。その際同氏は、戦車提供に賛成する声もあれば、議論を続けることに賛成する声もあるとし、その議論をあたかも「皆がレオパルト提供に賛成していてドイツだけが反対」しているかのように単純化してしまわないよう呼びかけた。

同氏は、「批判して、迅速な行動を要求する者はいるが、行動の責任は、決定を採択する政府が負うのだ」と発言した。

さらに同氏は、ドイツ政府の決定においては、公の議論も重要な役割を担うとし、「市民も議論に加わるべきだ」と強調した。

なお、ドイツでは、ウクライナに対して重火器の提供を支持する者の数と提供に反対する者の数は、概ね同じである。ヘーベシュトライト氏は、ショルツ首相の立場は均衡が取れており、国民に肯定的に受け止められていると発言した。

他方で、ドイツ国内外ではショルツ首相への圧力は強まっている。国際社会では、ポーランドのようなパートナー国がドイツに圧力をかけており、ドイツ国内では、保守系野党や、緑の党のような与党も戦車提供を主張している。ベーアボック独外相は、前日パリにて、ウクライナへレオパルド2提供を望む国があれば、ドイツが彼らの道に立ちはだかることはないと発言していた。同時に、23日、ブリュッセルで、記者たちが本件につきベーアボック氏に対して質問した際は、同氏は同じ発言はせず、単に「ウクライナ人が負けたら、ウクライナは消滅する」ので、同国を支援しなければならないとだけ発言した。

ヘーベシュトライト氏は、記者会見時に、ドイツはまだポーランドから戦車提供許可を求める公式な要請は’受け取っていないと伝え、もしその要請が接到すれば、政府は手続きに従い審議すると発言した。