英国はウクライナに当初発表の2倍の主力戦車を提供する=駐英ウクライナ大使
プリスタイコ駐英ウクライナ大使は、ゼレンシキー宇大統領が英国を訪問した際に、英国がウクライナに当初発表した数の2倍の主力戦車チャレンジャー2を提供することで合意に至ったと発言した。また大使は、英国は北大西洋条約機構(NATO)内でウクライナへの戦闘機提供に関するコンセンサスを徐々に形成しているとも伝えた。
プリスタイコ大使がラジオ・リバティのニュースサイト「真実のドンバス」へのインタビュー時に記者からの、ウクライナの要請した数とウクライナが英国から受け取る数の比率に関する質問に答える形で発言した。
プリスタイコ氏は、「軍事訓練については、私たちはある数について要請していたが、英国は今、その数を2.5倍に拡大することを提案している。つまり、その点では250%増だと言える。私たちが頼んだ、例えば航空機のような、いくつかの武器については、難しい。私たちは案を模索している。戦車(チャレンジャー2)に関しては、私たちは14両の戦車を約束されたが、ゼレンシキー大統領の訪問の結果、その数を2倍に増やすことで合意があった」と発言した。
同時に同氏は、英国政権から戦闘機ユーロファイターを「平時の場合のみ受け取ることが可能」との発言があることについて、それは「コミュニケーションの際に率直になろうとする試み、同盟国を怯えさせない試み」だと指摘した。
加えて同氏は、「つまり、英国は、NATO内で同国がよく行っていることとして、コンセンサスの形成を促そうとしているのだ。戦闘機のような、サービスを受けねばならず、訓練されたパイロットと装備がなければならず、多ベクトル的戦争において、どこからどこへ、誰がどうやって使用するかというターゲッティングが必要となる複雑な装備を提供するためには、多くの同盟国との連携が必要となるのだ。英国が行っていることは、漸次的なコンセンサス形成である」と発言した。
さらに同氏は、戦車提供に関しても類似の状況があったとし、「その他の全ての同盟国の消極的姿勢を克服しなければならない場面で、突破口の生じる時があった」と喚起した。
また同氏は、同文脈で「覚えているかもしれないが、発表は行われたのに、(スナク英)首相が公式にそれ(発表内容)を改めて口にするには、ほぼ1週間かかった」とも指摘した。
その他同氏は、英国は戦車提供に関して同盟国に対して、情勢展開には2つの可能性があることを理解させようとしていたと述べた。同氏は、「英国が単独でその発表を行い、突破口を作り出し、そこに他の全ての国が入ることになるか、あるいは、皆が一緒に、NATOとして一つの戦線として、その非常に重要な一歩を踏み出すかだ。今回、英国は成功した。私は、同様のプロセスが現在戦闘機についても行われていると思っている」と発言した。
これに先立ち、2月8日、英国政府は、ウクライナ軍のパイロットと海兵の訓練を行う決定を下したことを発表していた。英国のスナク首相は同日、英国でのウクライナ・パイロットの戦闘機操縦訓練はウクライナへと先端航空機の提供に向けた最初の一歩であると発言し、同時にそれは、迅速なプロセスではないとも指摘していた。