米国、ウクライナへの戦術弾道ミサイル「エイタクムス」供与を準備=報道

米ABCニュースは、米政権がウクライナに対して射程300キロメートル強の戦術弾道ミサイル「エイタクムス(ATACMS)」の供与の準備をしていると報じた。

ABCの記事では、安全保障計画にアクセスした政府関係者が「それら(編集注:エイタクムス)は来る」と発言したと書かれている。ただし同人物は、公式発表までに変更する可能性はまだあるとも指摘した。

別の政府関係者もまた、ウクライナへのエイタクムス供与につき、「テーブルの上にある」と形容し、今後の安全保障支援パッケージに加えられそうだと述べつつ、ただし、最終的決定はまだ採択されていないとも補足した。

ウクライナがミサイルを受け取るまで、数か月かかる可能性もあるという。

これまでウクライナへのエイタクムス供与を否定していた米政権が、どうして立場を変えているのかは現時点では不明だが、予期せず、米軍の武器庫に以前の評価よりも多くのエイタクムスが見つかったことが、同ミサイルの供与を決定しやすくなっている可能性が指摘されている。

ABCは、「見つかった備蓄の使用可能性は確認されておらず、倉庫でどのタイプのミサイルが含まれているのかもまだわかっていない。エイタクムスには、大型高火力暖冬を搭載したものから、標的に対して数百発の爆弾を投下する対人クラスター弾タイプまで、複数の種類がある」と伝えている。

エイタクムスは、300キロメートルの射程を持つことから、そのミサイルを供与されることで、ウクライナ防衛戦力はこれまでより遠くの標的への攻撃が可能になる。

なお、米国防総省は7日、ウクライナに対して総額6億ドルとなる新しい安全保障支援パッケージを発表していた