「ロシアの特殊作戦」 ウクライナ情報総局、プーチンの米記者へのインタビューにコメント
ウクライナ国防省傘下情報総局のユソウ氏は9日、プーチン露大統領が米国のテレビ司会者タッカー・カールソンに対して行ったインタビューは、ロシアの特殊作戦だと指摘した。
ユソウ氏がテレビ番組「統一ニュース」出演時にコメントした。
ユソウ氏は、「それが特殊作戦ではないということはあり得なかった。当然ながら、影響工作であり、情報心理特殊作戦だ。そう、ロシアの作戦である。なぜなら、大切なことは、そのインタビューの対象視聴者は、自由世界、西側世界だからだ。インタビューでは新しいことは何も聞かれなかった。ウクライナには、『町のおかしな人』という用語があるが、彼は、国際法や歴史に関して、どの国は存在すべきで、どの国は存在すべきでないことを決めようとする、何らかのむちゃくちゃなことを話す『地政学的おかしな人』である。当然ながら、その全てがはちゃめちゃである」と発言した。
同氏はまた、ロシアの情報機関とロシア連邦は、西側聴衆に影響力を行使するために多大な資金を費やしているという事実が彼らにとって西側聴衆が重要であることを物語っていると指摘した。
その際同氏は、「そして彼らは、自分たちの(編集注:ロシア国内の)プロパガンダショーで何と呼ぼうが、彼ら人とっては民主的世界に影響力を行使できる可能性こそが決定的に重要だということを理解しているのだ。つまり、その作戦は全て、条件付きプーチンの声を、彼らが嫌悪する西側に届けるという試みである。総じてそれは失敗した。なぜなら、そのインタビューの(公開の)後の主要な専門家、政治学者、政治家の評価は、もう私たちは目にしたのだから(編集注:批判的な評価だったの意)」と発言した。
これに先立ち、トランプ前米大統領への支持者で知られる、米国の悪評高いテレビ司会者タッカー・カールソン氏が、2月8日にモスクワでプーチン露大統領にインタビューを行っていた。欧州議会の現旧議員たちは、これまでもロシアのプロパガンダや露宇戦争に関するロシアのナラティブの拡散で繰り返し批判されてきたカールソン氏に対して制裁の発動を呼びかけていた。
米戦争研究所(ISW)は、プーチンは、西側聴衆の間にクレムリンの情報戦略を広めるためにこのカールソンとのインタビューを利用しようとしたとの見方を示している。