欧州は米国に左右されずに自らの安全保障を強化すべき=ベーアボック独外相
ドイツのベーアボック外相は15日、欧州の人々は米国に頼ることなく自らの安全保障を強化する必要があると発言した。
ベーアボック外相が第60回ミュンヘン安全保障会議の開会に際して発言した。独外務省広報室がスピーチ本文を掲載した。
ベーアボック氏は、「ロシア侵略の2年間は、私たちが経験しているのは単なる1つの転機を経験ではなく、複数の転機であることを明らかにさせている。今後数年間は、ウクライナを軍事的に支援していくという話ではすまなくなる。私たち、欧州人は、国家安全保障戦略で示されているように、私たち自身をよりよく防衛することができなければならない」と発言した。
同氏はまた、欧州人は北大西洋条約機構(NATO)の欧州地域を強化する安全保障・防衛同盟が、経済規模に見合った形で、また米国の政権にも左右されることなく、最終的に必要となっていると指摘した。その実現のためには、欧州連合(EU)加盟国の軍事力が現実に互いに確かに適合していなければならず、また各国が自国の優位を生かすことのできるような欧州共通の戦略的調達、開発、産業協力がなければならないと主張した。その際同氏は、例えば、ドイツにとっては、それは防空や軍隊のノウハウだと指摘した。
そして同氏は、防衛支出は将来には大幅に増額する必要があるとし、欧州安全保障防衛同盟の世代的プロジェクトへの投資は1年限りの予算や債務ブレーキに左右されてはならないと発言した。
同氏は、「安全には対価がある。そして、安全には信頼性が必要だ」と強調した。
なお、第60回ミュンヘン安全保障会議には、各国の外相、国防相が出席する。ドイツからは、ショルツ首相も参加する。
同会議は、2月16〜18日に開催される。
ウクライナのゼレンシキー大統領は17日に出席の予定。