ゼレンシキー宇大統領、新開発の自爆型無人機の説明を受ける

ウクライナのゼレンシキー大統領は、100キロメートルの飛距離を持つ新開発の自爆型無人機の説明を受けた。

15日、軍事ニュースサイト「ミリタルニー」が報じた

報道には、「名前はまだ秘匿のままであるその無人機は、すでに現在最前線でロシア占領軍に対して使用されており、ロシア地対空ミサイルシステムなどを破壊するなど、最初の成果を出している」と書かれている。

新型の無人機は、地上の標的だけでなく、速度、弾頭の破壊力の観点から空中の標的への攻撃手段にもなるものだと説明されており、ウクライナ側後衛や前衛で、敵の空爆やミサイル攻撃を誘導している偵察無人機を狩ることで、ロシア軍の攻撃能力を低減させることが可能になるという。

この無人機は、ロシア軍が使用する自爆型無人機「ランツェト」と同じニッチを占めるものであり、前線から遠く離れた地点の重要兵器への高精度攻撃を行うものだという。

大半の無人機同様、同機も電動エンジンを持ち、カタパルトで発射されるため、操縦士の使用は容易だと説明されている。

新しいX字型の機体により、高い機動性が確保され、静止・移動する標的に対して様々な軌道で攻撃が可能であり、特に標的に対して垂直でも飛来可能だという。

選択される標的に応じて、弾頭は最大3キロまで搭載可能。弾頭は、破片弾、サーモバリック弾、徹甲弾が選べる。徹甲弾では、最大40ミリの装甲を突破し、機材に深刻な被害を負わせられると説明されている。

無人機の速度は、時速180キロを超えないため、主要な移動標的は時速130キロ未満の速度のものとなるかもしれず、実質的に、ロシア側が使っている「オルラン10」「ザラ」「ランツェト」が対象となるだろうが、理論的には空中で停止飛行(ホバリング)していたり、正面から飛行してきたりするヘリも標的となり得ると書かれている。

また、この無人機システムには高度に信頼性の高い暗号化通信モジュール(AES256規格)が搭載されており、電子戦システムによる活発なジャミング条件下でも活動が可能だという。

動画:ミリタルニーが転載している保安庁(SBU)名義のもの

さらに重要な技術革新は、対象の補足と自動照準を行う「マシンビジョン」システムの統合だという。この技術はすでに、電子戦システムが使われる条件下での攻撃のためにウクライナ軍人により積極的に使用されているとのこと。