「パトリオット」がさらに2基あればロシアはハルキウを占領できない=ゼレンシキー宇大統領

ウクライナのゼレンシキー大統領は16日、ハルキウをロシアの攻撃から防衛するためには防空システム「パトリオット」が追加で複数基必要だと発言した。

ゼレンシキー大統領がハルキウ市内の病院を訪問した際に、同行していたABCニュース取材チームへコメントした

ゼレンシキー氏は、「状況は非常に深刻だ。私たちは、ハルキウを失うことはできない…。私たちに必要なのは、2基の『パトリオット』だけである。それが私たちのところに現れたら、ロシアはハルキウを占領できない」と強調した。

同氏はまた、過去数日ロシア軍のハルキウ州への攻勢により何百人の死傷者が出ているとし、彼らの多くはこの地域出身の軍人であり、大統領としては現場で彼らをサポートすることが重要なのだと語った。

記者から、ハルキウで現在起きていることは米国のせいなのか、と質問されると、ゼレンシキー氏は、「これは全世界のせいだ。彼らがプーチンに(編集注:ウクライナ領を)占領する機会を与えたのだ。しかし、今世界は助けることができる」と返答した。

同氏はまた、「私たちには支援が今必要なのだ」と強調した。

また記者は、多くの米国民が、ウクライナのためにどれだけ多くの資金が費やされているか、ということを気にしているとし、今年の米大統領選挙の際に本件は米国の有権者が注意を向ける問題の1つとなると指摘した。これに対して、ゼレンシキー大統領は、「その資金はウクライナに渡されているのではない。その資金は、米国の工場で費やされ、米国の雇用を生み出しているのだ…。そして私たちは、私たちの自由のためだけに戦っているのではない。(編集注:現在の状況に陥っているのが)ウクライナでなければ、他の国だったであろう」と強調した。

なお、ゼレンシキー大統領は16日、ハルキウを訪問し、最高司令官会議を開き、また市内の軍病院を訪問した。