スウェーデンは戦闘機「グリペン」を「F16」の後にウクライナに供与するかもしれない=ビルストロム外相
スウェーデンのビルストロム外相は31日、他の国がウクライナに戦闘機「F16」を供与した後に、同国が自国の戦闘機「グリペン」を供与する可能性があると発言した。
ビルストロム外相がプラハでの北大西洋条約機構(NATO)外相級会合の前に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
ビルストロム氏は、「私たちは現時点でスウェーデンの『グリペン』を供与しない。なぜなら、『F16連合』からのメッセージは、『同時に2種の航空機を統合させるのは困難だ』というものだからだ。そのため、もしかしたら、グリペンは『F16』の後、連合が仕事を行ってから供与されるかもしれない」と発言した。
また同氏は、スウェーデン政府は代わりにウクライナに対して空中監視管制機を提供することを提案したとし、それは「ウクライナにとって欠けている能力を与えるものであり、F16連合にとって重要な補強となるものだ」と発言した。
さらに同氏は、今、欧州連合(EU)でもウクライナ国内でも弾薬製造数を増やすことが非常に必要となっていると指摘した。
その他同氏は、ウクライナはスウェーデンに提供されている武器を国際人道法の規範遵守の範囲内で「一切の制限なく」使用可能だと述べた。また同氏は、スウェーデンがこれまでにウクライナに供与した軍事支援をウクライナは適切に使用していると補足した。
そして同氏は、「ウクライナ人は自分で、どのように自衛することを決めている。ロシアはウクライナへ侵攻することで国際法に違反したのであり、よって彼らは自衛権を有している」と強調した。
加えて同氏は、ウクライナがこの戦争に勝てるようにあらゆる可能なことを行わねばならないとし、勝利が意味することは、プーチンがウクライナ制圧において戦略的目的を達成しないこと、国際秩序と欧州の安全保障機構を弱体化しないことだと指摘した。そして、「そのため、ウクライナがこの戦争に勝つことが、NATOにとっても、EUにとっても利益である」と発言した。
同氏は、スウェーデンは、「ウクライナの勝利まで」必要な限りずっとウクライナを支える準備があると強調した。
その他同氏は、ウクライナだけがロシアとの和平協議を始める時を決める権利があると発言した。
これに先立ち、スウェーデン政府は29日、空中監視管制機や兵員輸送車からなる、ウクライナに対する総額133億クローナ(約2000億円)の新たな軍事支援パッケージの供与を発表していた。
また、スウェーデンのヨンソン国防相は、ウクライナに対する戦闘機「グリペン」の供与計画を停止したとし、その理由は他国による「F16」供与計画に集中できるようにするためだと説明していた。