ロシアは中国の衛星を使い、ウクライナの核施設を撮影 施設への攻撃可能性あり=ゼレンシキー宇大統領

ウクライナのゼレンシキー大統領は、ロシアはウクライナの核施設の撮影に中国の衛星を使っており、核施設への潜在的攻撃の可能性があることを示唆した。

ゼレンシキー大統領がABCニュースへのインタビュー時に発言した

ゼレンシキー氏は、「最近の情報は、ロシアが中国の衛星を使い、各施設の設備の詳細の撮影をしているということを示している。そして、私たちの経験からは、ロシアが何かしらの施設を撮影しているなら、核施設への攻撃の脅威が存在する」と発言した。

同氏はまた、ロシアが使用していた「中国の衛星」が商業用なのか中国政府が管理するものなのかについては明言しなかった。他方で、同氏は、ウクライナが保有している情報は、ロシアに影響を与え得る首脳たちと共有するとしつつ、それを「核テロだ」と形容した。

ABCは、もし情報が確認されれば、ウクライナの原子力発電所の写真撮影のための中国の衛星利用は、ロシアが中国に戦争支援を求めたさらなる事例となると指摘している。また、それは、ロシアの衛星能力の能力に疑問を呈し得るものでもあると書かれている。

専門家の中には、ロシアが原発の原子炉を直接標的にする可能性は小さいと考えているが、ジャック・ワトリング博士とダリヤ・ドルジコヴァ博士は今月、英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)の報告書の中で、「ロシアは、原子力発電所にエネルギーを供給し、原子炉からの電力を国内に配電する変電所を広範囲に攻撃することが可能であり、これまでも攻撃してきた」と述べている。両氏は、「このような攻撃は、残りの原子炉から他の送電網へのエネルギー供給を妨げるだけでなく、深刻な原子力安全上のリスクをもたらす」と指摘している。

これに先立ち、ウクライナのシビハ外相は21日、国際原子力機関(IAEA)に対して、冬季を前にしたロシアによるウクライナの重要原子力施設への攻撃準備につき報告していた

写真:大統領府