欧州委員会、2023年のウクライナに対する180億ユーロ提供の計画を発表

欧州委員会は9日、2023年にウクライナに対して、毎月15億ユーロ、年間合計で180億ユーロを財政支援として提供する計画を発表した。

ドンブロフスキス欧州上級副委員長がブリュッセルの委員会会合後に発表した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

ドンブロフスキス氏は、「私たちは、ウクライナへの私たちの支援は可能な限り安定し、予測可能なものとなるべきだと明確に述べてきた。そのため、私たちは今日、EUからウクライナへの直接資金提供をするための新しい財政手段、『マクロ財政支援プラス』の運用を提案する。この『マクロ財政支援プラス』は総額最大18億ユーロの非常に好条件での長期融資で構成されるものである。補償期間は30年で、最長35年まで延長できる。融資の利子と関連費用は、EU加盟国が負担していく」と発表した。

同氏はまた、この支援は、EU予算により維持されていくのであり、これまでのEUの財政支援スキームとは異なるものだと指摘した。

また同氏は、欧州委員会は、同支援は、ウクライナが直面している緊急の必要に対応し、同国が人々に給料や年金を払えるようにし、ロシアに壊された電力・水供給システム、社会インフラの機能、建物の復旧を保障することを可能にするために提示するものだと発言した。

同氏は、来年1月に送金が開始できるように、欧州議会とEU理事会が年内に同パッケージを採択することを期待していると発言した。

同時に同氏は、このEUの支援は、ウクライナの機構改革、特にグッドガバナンスと汚職との闘いに関係する改革と結びついたものとなるとも指摘した。

また同氏は、「私たちは、ウクライナが戦時下にあることを覚えておかねばならず、私たちは現実的でフレキシブルでなければならないし、最も必要なものは何か、何が現実的に達成可能かに焦点を合わせなければならない」と発言した。

今回の発表を受けて、ゼレンシキー宇大統領は、ツイッター・アカウントにて、欧州委員会への謝意を伝えるコメントを書き込んだ

ゼレンシキー氏は、「欧州委員会とフォンデアライエン欧州委員長に対して、2023年の180億ユーロの財政支援パッケージの発表に感謝している。これは、EUからの真の連帯の現れだ。ロシアの侵略に共に対抗し、共にウクライナを再建し、共にEUの中にあろう」と伝えた。

これに先立ち、フォンデアライエン欧州委員長が、欧州委員会はウクライナに対する同支援パッケージを発表する以降があると発言していた。