カホウカ水力発電所の再建は、脱占領後に6〜7年必要=ウクライナ水力発電公社

ウクライナの水力発電公社「ウクルヒドロエネルホ」は、1年前にロシアにより破壊されたウクライナ南部のカホウカ水力発電所は、同地の脱占領後に6〜7年かければ再建できると発表した。

6日、ウクルヒドロエネルホ社がシロタ総裁の発言を伝えた

シロタ総裁は、「暫定算出によれば、発電所の再建は6〜7年で可能だ。しかし、その前には、私が以前に述べたように、領土が脱占領される必要であり、その時私たちは破壊された場所を排水し、調査を行い、カホウカ水力発電所の破壊された建物や構造物を除去することができるようになる。そしてその後、発電所の直接的な再建へと移れるようになるのだ」と発言した。

また同氏は、ウクルヒドロエネルホ社が発電所破壊によって失われた電力と付帯サービスの販売の年間平均収益は、1億3800万ドルだと伝えた。また、損失収入の他に、カホウカ超水地の破壊が、ドニプロ水力発電所などにとっての好ましくない稼働条件と電力制限をもたらしたという。

さらに同氏は、「カホウカ水力発電所の破壊により、343.2MWの設定電力が失われた。さらに、ウクライナ統合電力シシテムの運用均衡に必要な192MWの調整能力も失われた」と説明した。

その他、同貯水池の破壊は、ドニプロペトロウシク州、ザポリッジャ州、ヘルソン州、ドネツィク州南部に広がるウクライナ南部の産業への水供給への問題も生み出したと報告されている。

これに先立ち、2023年6月6日、ロシア軍は占拠していたウクライナ南部のカホウカ水力発電所のダムを爆破していた。これによりドニプロ川両岸の複数の自治体が水没。公式データで32名が死亡したことが確認されているが、ロシアが占領するヘルソン州左岸での死者数はわかっていない。

ウクライナの環境保護・自然資源省は、カホウカ水力発電所爆破の被害総額は1460億フリヴニャを超えると発表している。

写真:プラネット・ラボ