露によるオーストリアへの天然ガス供給停止は、露とのビジネスを求める皆にとってのシグナル=墺外相

オーストリアのシャレンベルク外相は20日、ロシアが仲裁裁判の判決に対する反応として、オーストリアのOMV社に対する天然ガス供給を停止したことは、ロシアにおける法の支配の状態を示しているに過ぎず、ロシアとのビジネスを望む者全てに対する警告に値するものだと発言した。

シャレンベルク外相がウィーンを訪れたウクライナのシビハ外相との共同記者会見の際に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

シャレンベルク氏は、ガスプロム社(編集注:ロシアの天然ガス生産・供給を行う国営企業)によるオーストリアのOMV社への天然ガス供給停止について、「ガスプロムの反応は、彼らが気に入らなかった仲裁裁判所の判決への実質的な反応である。その反応はどのようなものか? ガスの遮断だ。それは、その国の法の支配の状態が実際どのようなものであるかを示すものだ。彼らが契約を気に入らなければ、彼らはそれを破るのだ」とコメントした。

また同氏は、それは間違いなく、「惑星全体のロシアとビジネスをしたがっている者全てにとってのシグナル」に値するものだとし、「それは、本件において現状回復が可能だと思っているあらゆる商業界の人物にとっての警告でなければならない」と補足した。

これに先立ち、16日、ロシアのガスプロム社は、ウクライナ領を経由して輸送されていたオーストリアの石油・天然ガス企業OMVに対する天然ガスの供給を停止した。

これは、OMV社が前日、仲裁手続きで最低された数百万ユーロの金額を回収するために、ガスプロム社への支払いを停止すると発表した後に生じたことである。ガスプロムがドイツの契約での天然ガスの供給を完全に履行していなかったことによる補償金として、OMVは2億3000万ユーロ以上の裁定を受けていた。

ロシアの全面侵攻が始まった際に、オーストリアは天然ガスの79%をウクライナ経由でロシアから購入していた。全面侵攻が始まった後も、オーストリアは、既存の契約と、契約のテイク・オア・ペイ条項により、ロシアから大半の天然ガスを購入し続けていた。

2018年、OMVは、ガスプロムからの天然ガスを2040年まで供給する契約を結んでいた。