国際司法裁判所公聴会2日目 ゼルカーリ宇外務次官、クリミアにおける露の民族迫害を説明
4日、国際司法裁判所(ICJ)(オランダ・ハーグ)では、ウクライナ対ロシアの公聴会2日目が開かれている。ウクライナ側は、ロシアがクリミアにて個別の民族集団全体に対して集団懲罰の手段をとっていることを説明した。
オレーナ・ゼルカーリ欧州統合担当外務次官がICJの公聴会にて発表した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
ゼールカリ外務次官は、発表にて「ロシアは、違法占領しているクリミアにおいて、民族集団全体に対して集団懲罰を行っている。違法な逮捕と失踪の継続、(クリミア・タタール民族代表機関)『メジュリス』活動禁止、重要文化集会の弾圧、クリミア・タタール語とウクライナ語での教育の制限、迫害されるクリミア・タタール人とウクライナ人のコミュニティに属するマスメディア代表者への脅迫が行われている。これらは全て、人種差別撤廃条約への違反である」と発言した。
同次官は、クリミア違法占領後、ロシアはクリミア・タタール文化とウクライナ文化への大規模撲滅キャンペーンを開始したことを強調した。
続けて、同次官は、ロシアの対ウクライナ政策は、テロ資金供与防止条約に違反していると主張した。
次官は、「ロシアがどのような方策を採ったであろうか。ロシアは、ウクライナにおけるテロへの資金供与を予防したであろうか。捜査を実施したであろうか。犯罪者捜索のために私たちを支援したであろうか。いずれもしていない。そして、その結果として、(マレーシア)航空機MH17が撃墜されたのである」と発言した。
同次官は、ICJが今回審議している案件の真の対象は、テロ資金供与防止条約(ICSFT)と人種差別撤廃条約(CERD)の解釈と適用にあることを強調した。
これまでの報道にあるように、6月3日、国際司法裁判所(ICJ)にて、テロ資金供与防止条約と人種差別撤廃条約に関するウクライナ対ロシアの公聴会が始まっている。今回の公聴会は、6月3日から7日まで続く。
3日の公聴会初日は、ロシア側が発表を行った。ロシア側代表者は、ICJにはウクライナの主導する本件の管轄権がないと主張した他、「ウクライナは、ロシア語話者の自国民を差別している」、「タタール人たちは、クリミアが併合されて始めて、(ロシアにより)保護され始めた」と主張した。
本件(ウクライナ対ロシア)は、2017年1月16日にウクライナ側がICJに提出したもの。
提出されたウクライナからロシアに対する断罪内容は、ロシアによる違法武装集団への武器等供与、マレーシア航空機MH17の撃墜、マリウポリ・クラマトルシク民間人居住地区への砲撃、ヴォルノヴァハ近郊での民間バス破壊、ハルキウ市平和集会時の爆発、ウクライナ人・クリミア・タタール人コミュニティに対する差別、クリミア・タタール民族代表機関「メジュリス」の活動禁止、一連の失踪・殺人・家宅捜索・拘束、ウクライナ語・クリミア・タタール語の教育機会の制限となっている。
なお、これまで、2017年3月6日に、ICJで本件に関する最初の公聴会が行われており、それを受けて同年4月19日、ICJは暫定措置の決定を言い渡している。ICJは、この決定にて、ロシアに対して、メジュリスの活動を再開させること、クリミアにウクライナ語での教育を保障することを命令している。