国家捜査局、ポロシェンコ前大統領に対し複数捜査に関する事情聴取を実施

ペトロ・ポロシェンコ前大統領(欧州連帯党党首)は、現在国家捜査局が行う3つの捜査案件の証言者となっている。

12日、ポロシェンコ前大統領が国家捜査局の事情聴取を受けた後、弁護士のイーホル・ホロヴァン氏が記者団に対して発言した。

ホロヴァン氏は、「ペトロ・ポロシェンコ氏は、2つの捜査の証言者であったが、本日もう一つの捜査についても伝えられた」と発表した。

同弁護士は、1つ目の捜査は、2018年11月のケルチ海峡におけるロシアのウクライナ艦船拿捕(だほ)に関係するもの、2つ目は『クズニャ・ナ・リバリシコム』工場売却に関するもの、3つ目は、テレビ局「プリャミー(直)」の売却に関する脱税の可能性に関するものであると説明した。

同時に弁護士は、事情聴取の詳細については、捜査側による許可がないため公言することはできないと伝えた。

また、同弁護士は、これらの刑事捜査は、「ポロシェンコ氏と彼の政治勢力に対する圧力」のために行われているとの見方を示した。

また、ポロシェンコ前大統領は、同日の事情聴取の後、3つ目の捜査に関するプリャミー局は現在乗っ取りの試みを受けており、侵略国のエージェントがウクライナの情報空間に侵入しようと試みていると発言した。

同前大統領は、「現在『プリャミー局』を巡って起きている出来事から、私は、同局の乗っ取りの試みが起きているのだと確信している。本件にイニシアティブをとっているのは、(アンドリー・)ポルトノウ氏、ヤヌコーヴィチ元大統領時代の大統領府副長官であり、(2014年)1月16日、尊厳革命(マイダン革命)に対抗する法律を作った人物の一人である。現在、彼が述べていることは真実との共通点など一切ないし、国家捜査局は過去3か月間以上ジャーナリストに圧力をかけようとしているのだ」と発言した。

ポロシェンコ前大統領は、自身はプリャミー局の資産や運営とは一切関係を持っていないとして、記者や政治家に対して、表現の自由を守り、ヤヌコーヴィチ時代に戻ることを防ぐよう呼びかけた。

これに対して、同日、ロマン・トルーバ国家捜査局局長は、同局が行なっているのは「プリャミー局」売却時の脱税の可能性についての捜査であり、局の乗っ取りの意図などないとコメントした。トルーバ局長がテレグラム・チャンネルにて書き込んだ。

トルーバ局長のコメントには、「国家捜査局には、プリャミー局の活動に関する捜査は一切ないし、同局の方針や、税金支払い、記者の活動に関するものもない。私たちは、同局がヴォロディーミル・マケイェンコ氏に売却された時の脱税の可能性について捜査しているのだ。違いは明白だと思う」と書かれている。

同局長は、捜査は記者活動を損ねるものではないと補足した。

また、同局長は、ポロシェンコ前大統領によるプリャミー局が乗っ取り試みの発言については、事実に反するとして否定した。

トルーバ局長は、「残念ながら、ポロシェンコ氏は、国家レベルの人物から、普通の政治家に変わってしまい、概念をごまかすだけでなく、自身に有利になるように情報面の真実を歪めるようなことをしている」とコメントした。