ゼレンシキー大統領、ドンバスのロシア支持者は移住しても良いと発言
ゼレンシキー大統領は、ドンバス住民の大半が自らの将来をロシア国内に見ているとするのは誤っているとしつつ、他方で、それを欲する者はロシア連邦に移住しても良いと発言した。
大統領が、ドイツのシュピーゲル誌へのインタビュー時に発言した。
大統領は、「一人一人が、どこで住むか、選ぶ権利がある。しかしながら、ウクライナ領にて、『私はロシア国民であり、ここは私の大地である』と言うのは、間違っているし、不正義である。それはうまくいかない」と強調した。
大統領は、あたかもドンバスで世論調査が行われて、その結果過半数がロシアで暮らしたいとする結果が出たとの報道があったことを喚起しつつ、「それは正しくない。私は、ウクライナを支持している人々がいることを知っているし、信じている。意気消沈している人もいる。そして、その他に、ロシアを支持している人もいる」と発言した。
大統領は、ロシア連邦が現在違法にロシア国籍をばらまいていることを喚起しつつ、ロシアを支持する者はロシアに移住しても良いと述べた。また、ロシア国籍とウクライナ国籍で揺れている人のためには闘わねばならないが、自身をロシア人としかみなさない人のために闘うことはしないであろうとも述べた。
その上で、大統領は、「迷ってしまった」人、道から外れてしまった人、ウクライナの身分証明書を持っているが、その後追加的にロシアの国籍を受け取り、それから両方から社会的支援を受け取っている人たちのためには、闘う価値があり、そのような人々を「取り戻さなければいけない」と発言した。
大統領はまた、ミンスク諸合意問題の最も複雑な問題として、「国境問題」だとし、国境のコントロールを回復する問題の難しさを指摘した。大統領は、「議論が行われるとしたら、全ての中で、それが最も困難だ」と発言した。
加えて大統領は、ミンスク諸合意の枠組みで国境問題を解決するということには同意しないとし、その理由として、同諸合意では、最初に選挙が行われ、それから国境コントロールが回復されることになっていることを指摘し、「残念ながら、そこには矛盾がある。もちろん、その矛盾は解決を要する」と発言した。
なお、12月9日、2016年以来約3年ぶりにドイツ、フランス、ウクライナ、ロシアの4国首脳によるノルマンディ会談が開催される予定となっている。