ノルマンディ4首脳、結論文書に合意=大統領府発表
ノルマンディ4国(独仏宇露)の首脳は、12月9日のパリでの会合の結果として、複数の問題につき合意に至った。
ウクライナ大統領府が12月9日付の結論文書「一般的に合意された結論」を公開した。全文以下のとおり。
フランス大統領、ドイツ首相、ロシア大統領、ウクライナ大統領は、本日、パリにて会談した。
ミンスク諸合意(2014年9月5日付ミンスク議定書、2014年9月19日付ミンスク覚書、2015年2月12日付ミンスク方策パッケージ)は、ノルマンディ・フォーマットの作業の基本であり続ける。同フォーマットのメンバーは、同諸合意の完全履行にコミットしている。
彼らは、欧州安全保障協力機構(OSCE)の原則にもとづいた、欧州における信頼と安全の持続可能かつ包括的なメカニズムを概して求めており、ウクライナの紛争の解決は、そのための重要なステップの一つである。
これを基盤に、彼らは、以下のことを決める。
1.紛争圏の情勢安定化のための緊急措置
関係者は、完全かつ包括的な停戦体制の履行にコミットする。この停戦は、2019年末までに停戦体制を支える不可欠な方策を履行することで強化される。
彼らは、2016年3月3日付の三者コンタクト・グループ(TCG)による対地雷活動に関する決定をもとに、刷新された地雷除去計画を作成し、履行することを支持する。
彼らは、TCGの枠内で、2020年3月末までに兵力・機器引き離しを目的とした3つの追加的引き離し地点に関して合意することを支持する。
彼らは、三者コンタクト・グループが年内に「全員対全員」の原則にもとづき、紛争に関係のある被拘束者の解放と交換をTCGが促進することを望む。国際赤十字委員会を含む国際機関が完全かつ無条件に被拘束者全員へのアクセスを得るという理解を持って「特定された者全員対特定された者全員」から始める。
彼らは、コンタクト・ラインの新たな通過地点につき、30日以内にTCG枠内で、何より人道的基準をもとに、合意に達することを支持する。
彼らは、OSCE特別監視団(SMM)が、(2014年3月21日からの)マンデートの全ての機会を利用できるようにならねばならず、自らのマンデートの完全な履行を目的に、ウクライナ全土に安全かつ理想的なアクセスを得なければならないことを喚起する。
2.ミンスク諸合意の政治項目の履行に関する方策
関係者は、ノルマンディ・フォーマット(N4)とTCGの枠内にて、2015年付のミンスク諸合意履行のための方策パッケージに書かれているように、ドネツィク・ルハンシク両州一部地域の地方自治の特別規定(特別地位)の全ての法的側面に関し、同法が恒常的に機能することを保障することを目的に、合意に達することに関心があることを表明する。
彼らは、N4とTCGが合意した版に従って、「シュタインマイヤー・フォーミュラ」をウクライナ国内法に取り入れることが不可欠だと考えている。
3.今後のステップ:
彼らは、自らの外相・政治担当補佐官に、達成された合意の履行の保障を要請し、また、彼らは、4か月以内に同フォーマット(編集注:ノルマンディ4国)にて、地方選挙組織のためのものを含め、政治・治安条件に関する会合をもう一度開催することで合意した.
なお、12月9日、パリにて、独仏宇露4国のノルマンディ首脳会談が約3年ぶりに開催された。
(編集注:ウクライナ大統領府が、公式ウェブサイトに掲載している同結論文書のウクライナ語訳を修正したことを受け、12月12日、ウクルインフォルム日本語版に掲載した同文書日本語訳も、同修正に合わせて変更した。)