ウクライナの汚職指数、若干悪化=国際NGO
ウクライナは、国際NGO法人トランスペアレンシー・インターナショナルの作成した2019年汚職認識指数(Corruption Perceptions Index)にて、ポイントを2つ下げ、2017年時点の順位に戻った。
トランスペアレンシー・インターナショナル・ウクライナ(TIウクライナ)がウェブサイトにて発表した。
今回の指数によると、ウクライナの点数は100中30、ランキングでは180国中126位。同ランキングにて、ウクライナに近い順位は、キルギス、アゼルバイジャン、ジブチ。
近隣諸国の間で、ウクライナより順位が低いのはロシアで、点数は100中28、順位は180国中137位。隣国の中で点数が最も良いのはポーランドの58(41位)。続いて、スロバキアの50(59位)。ベラルーシは45(66位)。
TIウクライナのアンドリー・ボロヴィク専務理事は、「汚職認識指数は、過去2年間の分析が考慮されている。2017年初めから、改革と汚職の闘いの逆行が実質的に起こった。政権は、汚職対策機関の独立を明らかに制限し、高等反汚職裁判所の開始を遅らせ、法的な障害を生み出した。当時の国家汚職防止庁(NAPC)の政治的偏向や裁判改革の失敗については、言うまでもない。過去数年、政権は、複数の勧告を無視したが、そのうちの複数は決定的に重要であったのだ」と強調した。
TIウクライナは、2019年初頭に政権に対して、汚職認識指数の改善に繋がりうる12の勧告を発表したことを喚起し、2019年内にそれらのうち、実施されたのは6つだけ、それも2019年第4四半期に行なわれたのだと指摘した。
とりわけ、政権は、政党助成金コントロールの強化を行なわず、裁判自治機関の編成方法を変更せず、活動家への襲撃を組織した人物を罰さなかったと指摘されている。
その上で、TIウクライナは、状況改善のために多くのことをしなければならないとし、とりわけ、以下を目的とする法策を挙げた。
・独立し、専門的な司法の形成
・汚職対策諸機関の独立と能力の保障
・保安庁(SBU)から、経済・汚職分野犯罪における権限の剥奪
・政治汚職防止システムの効率向上
・国家資産の民営化のオープンかつ報告を伴うプロセスの施行
なお、汚職認識指数において、最も点数が高い国は、ニュージーランドとデンマーク(87)。日本の点数は100中73で20位。点数が最も低いのは、ソマリア(9)、南スーダン(12)、シリア(13)であった。