最高会議は銀行法修正案1万6000本の審議に半年はかけない=議長
ドミトロー・ラズムコウ最高会議(国会)議長は、最高会議議員が提出した銀行活動規定メカニズム補完に関する改正法案(通称「銀行法案」)への改正案約1万6000本は、最高会議の活動を妨害することを目的にされているとの見方を示した。
ラズムコウ議長が最高会議各会派・グループ代表者との協議前の記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
議長は、「このようなことは未だかつてなかった。私たちは1万6000の修正案を受け取ったことはない。私は、それは議会活動の妨害のために行われたのだと思っている。なぜなら、コロナウイルスを考慮すると、これら(1万6000の修正案)の審議には、全ての案を見ていくと、半年以上かかるからだ。そして、議会はそのようなことはしない。なぜなら、私たち皆が、現在最高会議の前に立つ挑戦を理解しているからだ」と強調した。
同時に議長は、銀行法案の第二読会に向けた審議がいつ始まるかは今のところ言えないとコメントした。
議長は、「なぜなら、彼ら(最高会議内の関連委員会)が表を作って、それから修正案の作業に取り掛かることになるのであり、どれを考慮して、どれを考慮しないかを決めることになるからだ。その後ようやく、この法案が最高会議の議場で審議することが可能になる。思うに、そこまでに多くの時間かからないであろう」と発言した。
議長はまた、この大量に提出された銀行法案への修正案につき、本会議中に各会派・グループの大議員たちと協議を行う可能性を検討していると発言した。
議長は、「私たちは、これらの修正案のうち何を考慮するかを見ていく。なぜなら、考慮された修正案が採択されることは極めてまれだからであり、つまり、排除されるからだ。このプロセス(銀行法案採択プロセス)を遅らせようとは誰も思っていない。委員会も、会派も、グループも、更にはその提案を提出した者たちですらもだ」と発言した。
これに先立ち、3月30、31日、ウクライナ最高会議は、臨時会合にて、銀行法を第一読会で、農地市場法を第二読会で採択していた。この2本の法案採択は、国際通貨基金(IMF)によるウクライナへの次期トランシュ供与の条件となっている。
3月31日、ウクライナに駐在するG7各国の大使たちは、最高会議(国会)が農地市場法と銀行法を採択したことを歓迎するメッセージを出している。その際、G7各国大使は、「ウクライナが銀行分野改革にて前進したことを歓迎するとともに、ウクライナの金融分野を強化し、国際金融機関と協力して前進することを可能とする、最終採択を待ち望んでいる」とコメントしている。