「ウクライナはドンバス問題でモルドバの経験を考慮すると良い」=サンドゥ次期モルドバ大統領

モルドバ大統領選挙にて当選したマイア・サンドゥ次期大統領は、モルドバが自国のトランスニストリア問題の協議で選んだ「ソフト・アプローチ」は28年にわたり紛争解決をもたらさなかったと指摘しつつ、ウクライナはそのモルドバの過ちに注意を向けるべきだと発言した。

サンドゥ・モルドバ次期大統領がニュースサイト「欧州プラウダ」へのインタビュー時に発言した

サンドゥ氏は、「もしかしたら、ウクライナもトランスニストリアでの私たちの経験が必要になるかもしれない。私たちは、トランスニストリアを協議の一方とすることを認めた(編集注:独立を宣言したトランスニストリアの非承認国家を協議相手と認めた、の意)。私たちは、当地のビジネスに、私たちの生産業者が得ている貿易体制と同じもの、特にEUとの連合協定に付属する自由な輸出の権利を与えた。そのため、現在トランスニストリアの貿易の65%は欧州へ向かっている。私たちは、紛争解決などについての300以上の文書に署名した。しかしながら、これら全ての行動をもってしても、私たちは、今のところどこにも到達できていないのだ」と発言した。

サンドゥ氏はまた、「ウクライナがドンバスに関して行動をする際、もしかしたら(モルドバのこれらの経験を)考慮すると良いかもしれない」と発言した。

その他サンドゥ氏は、モルドバの連邦化には反対すると発言した(編集注:ロシア連邦は、2003年、当時のモルドバ政権に、非承認国家側に国家の重要問題に対する拒否権を付与する形でモルドバを連邦国家化する紛争解決案を提案したことがある(通称「コザク・メモランダム」)。当時のモルドバ政権は同案を拒否した)。同氏は、「私たちは紛争解決のフォーマットを見つけ出せると確信している。解決は、ロシア軍のモルドバ領からの完全撤退を含まねばならない。私たちはそのことをいつも話してきたし、今後もずっと話していく」と発言した。

なおモルドバのトランスニストリア紛争では、90年代初頭の激しい戦闘の後、モルドバ政府が、ティラスポリを「首都」とする非承認国家「政権」との間で「直接対話」を行うことに合意している。その際、ロシアは紛争の「仲介者」とみなされている。モルドバ政府と非承認国家の協議は、現在まで続いている。