欧州人権裁判所、クリミア関連ウクライナ対ロシア事件を受け入れ 審理へ

欧州人権裁判所は、クリミアに関する「ウクライナ対ロシア連邦」事件を受け入れられるものと認め、内容面の審理へ移行した。

14日、デニス・マリューシカ司法相がフェイスブック・アカウントにて報告した

マリューシカ司法相は、「勝利だ! 欧州人権裁判所におけるウクライナ対ロシア事件の最初の中間勝利である! 今日、欧州人権裁判所は、ウクライナ対ロシア(クリミア関連)事件を受け入れられるものと認め、内容面の審理へ移行した」と書き込んだ。

司法相は、同件にて、ウクライナが裁判所に対し、ロシア連邦が侵害したと認めるよう求めているのは、「人権と基本的自由の保護のための条約」(欧州人権条約)における、生命に対する権利(第2条)、拷問の禁止(第3条)、自由及び安全についての権利(第5条)、公正な裁判を受ける権利(第6条)、私生活及び家庭生活の尊重についての権利(第8条)、思想、良心及び宗教の自由(第9条)、表現の自由(第10条)、集会及び結社の自由(第11条)、第3、8、9、11条と条約の第1議定書の財産権保護(第1条)、第4議定書の移動の自由(第2条)を統合した上での差別の禁止(第14条)であると説明した。

司法相は、「本件は、複数の重要な側面を持つ。(1)司法面:私たちは、判決によって私たちの国土におけるロシア連邦の侵略の事実と犯罪行動を一歩ずつ証明している。裁判所の決定は、政治的な声明ではない。遅かれ早かれ、そのような判決が侵略国首脳陣に対する司法上の効力を発揮していく」と指摘した。

同氏は、第3の側面はコミュニケーション面だとし、「私たち、そして欧州評議会は、クリミアは、私たちの優先課題であり続けており、私たちは、全て覚えており、全ての関係者を捕まえることになるという、強力なメッセージを出している」と強調した。

同氏は、第3の側面は、「ハイブリッド戦争への対抗」だと述べ、「ロシアは、クリミアは『平和的に』『合法的に』『編入した』という神話を維持している。それはもちろん神話であり、何よりまず、国内向けの神話である。しかし、彼らは、それを国際場裏でも広めようと努力している」と指摘した。

その上で司法相は、「欧州人権裁判所の判決は、ロシアがハイブリッド戦争で利用している神話に司法上の強力なダメージを与えるのである」と説明した。同氏は、「クリミアは、武力侵略と著しい人権侵害の話であって、『住民投票』やら、『平和な意思表示』の話ではないのだ」と指摘した。