ゼレンシキー大統領、ブリンケン米国務長官と改革進展・汚職撲滅を協議
ゼレンシキー大統領は6日、キーウ(キエフ)訪問中のブリンケン米国務長官との会談時、ウクライナは改革を前進させるだけで、後退させることはないと発言した。
ゼレンシキー大統領がブリンケン米国務長官との共同記者会見時に記者の質問に答える形で発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
記者が改革後退につき指摘すると、ゼレンシキー大統領は、「様々な作業が行われ、私たちの国が待ち望んだ、多くの重要法律ができた。それは、水上交通法や、銀行法といった、根本的改革だ。多くのことが行われた。そのため、私は、何の後退のことかわからない。私は前にのみ進んでいる」と発言した。
大統領はまた、ウクライナでは自身が大統領に就任してはじめて、汚職裁判所が稼働し、土地改革の実現が始まり、特別汚職対策検察(SAP)長の公選も進んでおり、「ウクライナの民と対立する活動をしてきた」憲法裁判所の刷新も行われている、と発言した。
ブリンケン国務長官は、ゼレンシキー大統領とウクライナの欧州統合願望、改革進展、汚職撲滅、両国共通の価値の実現について協議したと伝えた。
ブリンケン氏は、「私たちは、改革と機構改革について話した。なぜなら、ウクライナの改革と汚職対策の努力に対抗する勢力が非常に多いからだ。そこには、ロシアのような国外勢力もいれば、ウクライナの民をあてにして違法な手段で個人的な利益を追求するオリガルヒ(大富豪)や力を持つ個人といった国内勢力もいる。そのため、汚職との闘いは、ウクライナの民にとって、最重要問題の一つであり、民の生活を改善する上で決定的な意味を持つ」と発言した。
また同氏は、「私たちは、ロシアによるウクライナ不安定化の行為に反対している。私たちはまた、汚職対策改革を支持している。なぜなら、それがとても重要だからだ。なぜなら、腐敗した勢力もロシアの侵略も一つの同じ目的を達成しようとしているから。それは、ウクライナの民が所有する権利を持つ物を奪う、という目的だ」と指摘した。
さらにブリンケン氏は、改革とは法律採択だけでなく、その履行も重要だと指摘した。同氏は、「農地改革は、新しい不法蓄財関連法と並び、非常に重要な問題だ。(中略)しかし、私は、法律は非常に重要だが、しかし、その履行も劣らず重要であるということを言いたい。私たちが聞いてきたことは、ウクライナの人々は、法律の採択のみを見たがっているのではなく、汚職との闘いを含め、法律の履行も見たがっているということである」と強調した。
また同氏は、ゼレンシキー大統領とコーポレーティブ・ガバナンス改革の継続の重要性についても話したとし、「その問題は、ナフトガス社や、それ以外の企業を含め、極めて重要な問題だ。私たちは、協力で独立した汚職対策機関の重要性、司法政権改革、どのように裁判官を選考するかについて話した」と伝えた。
なお、6日、ブリンケン米国務長官がウクライナを実務訪問している。
これに先立ち、4月29日、米国は、ウクライナ政府が国営ナフトガス・ウクライナ社の幹部を交代したことにつき「深い懸念」を表明しつつ、手続きルールの抜け穴を利用した抜け目ない行為だと批判していた。
写真:大統領府