米国務省、ロシア占領政権がクリミアで宗教弾圧を続けていると報告
米国務省は、被占領下クリミアにて、ロシア占領政権がイスラム教と、ギリシャ・カトリック教徒、ウクライナ正教会教徒などに対して宗教弾圧を続けていると報告した。
12日、米国務省が公開した2020年国際信仰の自由報告書のクリミア部分に書かれている。
報告書には、「被占領下クリミアのロシア政権は、イスラム教徒であるクリミア・タタール人、エホバの証人信者、ウクライナ正教会の教徒や聖職者をはじめとうる、宗教マイノリティーへの迫害・脅迫を続けている」と書かれている。
そして、昨年10月時点で、宗教政治団体「イスラム解放党」への関与関係で69名のクリミア住民が拘束されているとあり、イスラム解放党はロシアでは禁止されているが、ウクライナを含め、他の多くの国では禁止されていないことが指摘されている。また、エホバの証人2名も拘束されたと書かれている。
報告書では、「ロシア占領政権は、イスラム教徒のクリミア・タタール人を、特に政権がイスラム解放党との関与を疑った場合に、拘束し続けている。9月には、ロシア南部軍管区裁判所にて、7名のイスラム教徒のクリミア・タタール人が有罪を言い渡された。彼らは、2017、2018年に逮捕された者たちであり、厳格収容所での実刑判決が出された」と伝えられている。
さらに、占領政権の弾圧は、ギリシャ・カトリック教会などの代表者に対しても行われているとあり、多くの宗教コミュニティが新しい登録要件を課されることで実質的に被占領地から追放されていると指摘されている。ウクライナ正教会モスクワ聖庁のみが新しい要件の対象となっていないとのこと。
報告書には、「ロシア政府は、クリミア(セヴァストーポリを含む)では、907の宗教コミュニティが登録されていると報告した。(中略)これは、2014年の占領開始までに存在した数より1000少ない」と書かれている。