バイデン米大統領、プーチン露大統領にウクライナ情勢の緊張緩和を呼びかけ

30日、バイデン米大統領は、プーチン露大統領と電話会談を行った際に、ウクライナ周辺のロシア軍の集結によって高まっている緊張の緩和を呼びかけた。

米ホワイトハウスがサキ報道官の声明を公開した

バイデン大統領は、ロシアに対してウクライナ情勢の緊張緩和を行うよう呼びかけると同時に、ロシアがウクライナに更なる侵攻をした場合、米国は同盟国・パートナー国とともに断固として対応することを明言した。

またバイデン氏は、米露戦略的安定対話、北大西洋条約機構(NATO)ロシア理事会、欧州安全保障協力機構(OSCE)での対話を含む、2国間・他国間フォーマットでの外交的協議を支持すると表明した。

さらに、バイデン氏は、それら対話において内容ある進展が生じ得るのは、エスカレーションにおいてではなく、緊張緩和においてのみであると繰り返した。

また、同会談後、ホワイトハウス代表者が電話記者会見を行い、会談の詳細につき説明した。同人物は、今回の米露首脳会談はロシア側が提案したものだと喚起した。また、会談は「真剣で内容あるものだった」と指摘した。

同代表者によれば、会談時、双方は、1月に予定されている協議の前に自らの立場を強調した上で、1月9、10日に米露2国間対話を実施することで合意した(編集注:以前は、1月10日のみの実施だと伝えられていた)。

また、バイデン米大統領は、プーチン露大統領に対して、今後の情勢展開の道として、情勢緩和を目的とする外交の道、あるいは、経済制裁を含むロシア抑止方策を発動し、NATO同盟国やウクライナを強化するという道があると説明したという。

さらに、代表者は、「同盟国・パートナー国抜きでそれらの国については何も決めない」という原則を維持するという米国の意志を改めて確認し、関連して、今後、ロシア側との協議が始まるまでの期間、米国はウクライナを含む同盟国・パートナー国とともに集中的に協議を続けると伝えた。

その他、同人物は、両大統領が現時点で双方の間に決定的進展を達成し得る問題と合意の不可能な問題があるとの見方で一致したとも伝えた。

ホワイトハウスは、今回の電話会談時間は約50分だったと伝えた。

これに対し、ロシア大統領府広報室は、今回の米露首脳会談でプーチン露大統領がロシアが提示した米国・NATOとの間の合意案につき詳細に説明した他、バイデン米大統領が伝えた大規模対露制裁案は、米露関係を完全に断絶するおそれがあると発言したと発言したと発表している

写真:バイデン米大統領(ツイッター)