米上院、共和党のノルド・ストリーム2制裁法案を否決

米上院は13日、クルーズ共和党議員が提出した独露間新天然ガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」への自動的発動を想定した法案を否決した。

ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

法案の可決には60票必要なところ、賛成は53票、反対は41票だった。

なお、12日に民主党のメネンデス議員が同共和党案の対案となる独自のウクライナ支援・対露制裁法案を発表していたことから、今回の投票にてクルーズ共和党案は否決されることが予想されていた。

クルーズ共和党案は、ロシアがウクライナに対して更に侵攻するか否かを問わず、法律署名後15日後に対ノルド・ストリーム2制裁を発効させることを定めていた。これに対して、メネンデス民主党案は、国防省と国務省に対して、ウクライナの防衛能力強化のために、防衛品の輸送を加速し、ロシアが再侵攻した場合の追加的対ウクライナ緊急支援として5億米ドルを承認することを要請するものとなっている。この民主党案では、ノルド・ストリーム2は「ロシア連邦の悪影響の手段」であるとした上で、米政権に対して、同パイプラインが稼働しないように「利用可能で適切なあらゆる手段を検討」すべきだと求めている。

なお、これに先立ち、民主党と共和党の議員間で、民主党がノルド・ストリーム2制裁に賛成する代わりに、共和党はバイデン政権の人事関連の決定を妨害しないことで合意したことが伝えられていた。

また、ノルド・ストリーム2への制裁は、今年の国防権限法の採択前法案に含められていたが、最終採択前に、同条項は削除されていた。

共和党議員は、制裁によってノルド・ストリーム2を停止することができると主張しており、また、バイデン米大統領がドイツとの関係調整を求めて、ノルド・ストリーム2への制裁を解除したとして、バイデン大統領のロシアへの姿勢を非難している。