ソ連政権によるクリミア・タタール人全民族追放から78年 ゼレンシキー宇大統領がメッセージ
ウクライナでは5月18日は、1944年のソ連政権によるクリミア・タタール民族全体のクリミアからの追放の犠牲者を追悼する、「クリミア・タタール民族虐殺犠牲者追悼日」と定められている。同日、ゼレンシキー宇大統領は、クリミア・タタール民族の追放は専制国家による意識的な犯罪だとコメントした。
ゼレンシキー大統領が動画メッセージを公開した。
ゼレンシキー氏は、「去年、この日、私は、私たちはクリミアへ戻る、と話した。毎年、5月18日、ウクライナは、クリミア・タタール民族虐殺の犠牲者の追悼を行っている。祖国を奪われかけた民。命を奪われかけた民。歴史と名前を消されかけた民。しかし、彼らは、家へ戻ることができ、自らを守り、自らの真実を守ることができた民である」と発言した。
さらに同氏は、1944年5月18日、ソ連政権がクリミアの先住民であるクリミア・タタール人を彼らの祖国から追放し始めたと喚起した。
同氏は、「ウクライナ全体と同様にクリミアで続いていた恐ろしい戦争が終わった後、民族全体が生き残りの際に置かれたのだ。追放の際とその後、クリミア・タタール人は強制的に別の土地で暮らすことを余儀なくされ、移住を強制された人々の約半分が亡くなった。民族の約半分である! それは専制国家によるその民族と人類に対する意識的な犯罪であった」と強調した。
加えて同氏は、現在類似の出来事が起きているとし、「その専制国家の後継者が、2014年以降、またしてもクリミア・タタール人から彼らの家を剥奪しようとしている」としつつ、現在は専制国家は何百万人のウクライナの人々全体から家を奪おうとしていると強調した。
ゼレンシキー氏は演説の最後に、クリミアやドンバスなどにて弾圧を受けた人々を保護するために最高会議が採択された「ウクライナに対する武力侵略の結果個人の自由を奪われた事実が確立された人々とその家族の社会・法的保護法」への署名を行った。
ゼレンシキー氏は、「私たちは必ず正義を回復する」と述べた後、最後にクリミア・タタール語で「クリミアは自由になる」と伝えた。