「私たちは日本にクリミアのウクライナ帰属承認を頼みながら、日本の北方領土については認めていなかった」=ウクライナ国連常駐代表
ウクライナのキスリツャ国連常駐代表は、10月にウクライナが北方領土の日本への帰属を確認する決定につき、ウクライナは日本にクリミアのウクライナへの帰属承認を頼みながら、日本の北方領土については認めていなかったとコメントした。
キスリツャ・ウクライナ国連常駐代表がICTV局番組へのインタビュー時に発言した。
キスリツャ氏は、「日本とソ連の間には合意が締結されなかったことを覚えている人は少ない。つまり、ロシアと日本の間の戦争は終わっていないのだ(編集注:ママ)。両国は、領土問題によって和平合意を締結しなかった。そして、私たちの議会(編集注:ウクライナ最高会議)は、今になって、その島々(編集注:北方領土)が日本に帰属するという決定を採択した。私たちがその決定を下す上で、何が妨害するものがあっただろうか」と発言した。
同氏はまた、「私たちは皆、日本に対して、クリミアがウクライナに帰属していることを認めるようお願いしてきたが、自分たちは、その島々が日本のものであることを認めていなかったのである。何十年間続いたことだろうか」とコメントした。
その他同氏は、現在の露宇戦争につき、ウクライナ領内での軍事的勝利、ロシア軍の完全な敗北、ロシア軍のウクライナ領からの追放だけでは、戦争の終結を意味することにはならないと指摘した。同氏は、「ロシア連邦の『脱プーチン』が行われなければ、私たちは、残念ながら、常に軍事的侵略の再来の脅威に晒されるという緊張の中を生きていくことになる」と指摘した。
これに先立ち、ゼレンシキー宇大統領は10月7日、ウクライナは、現時点でロシアの占領下にある北方領土を含めた、日本の主権と領土一体性への尊重を確認したとし、関連の大統領令に署名したことを発表していた。また、同日、ウクライナ最高会議は、北方領土問題において日本の立場への支持を表明した上で、国際社会に対して、北方領土の地位問題の解決を支持するよう呼びかける決議を採択していた。
これを受け、日本の岸田文雄首相は10月24日、ウクライナを含め多くの国々から北方領土問題に関する日本の立場について理解や支持が得られることは、有意義なことだと考えていると発言している。