ゼレンシキー宇大統領、イラン国民に呼びかけ 「あなた方は悪の側にいるべきではない」
ウクライナのゼレンシキー大統領は24日、イラン国民に向けて、イランがロシアに提供している武器でウクライナ国民が殺されていると伝え、国の決定に影響を与えて欲しいと呼びかけた。
ゼレンシキー大統領が同日夜の動画メッセージで発言した。
ゼレンシキー氏は、「今日、そのような攻撃(編集注:自爆型無人機『シャヘド』による攻撃)がずっと続いていることから、イランの人々に直接呼びかけたい。皆に、社会に、イランのイスラム法学者に、一つ一つのイランの家族に、イランの国の決定に影響を及ぼすことのできる人々に向けてだ。シンプルな質問だ。あなた方は、何のためにロシアのテロの協賛者になっているのだ? どうして悪の国の側についているのだ? 世界は何が起きているのか見ており、イランのあなた方も見ている。悪への支援は、否定しようがない」と発言した。
同氏はまた、ウクライナ軍人はロシアが発射する「シャヘド」の大半を撃墜しているが、着弾する時もあるとし、民間住宅、学校、病院、祈りの場、教会、発電所、市場、さらには人道支援引き渡し所、バス停で被害が出ていると指摘した。
そして同士は、「イランの無人機がウクライナの妊婦を夫とともに彼らの家で殺すというのは、イランにいるあなた方、母親、父親にとってそれは何のためなのだ? あなた方の『シャヘド』が私たちの学生の寮を攻撃し、人々が死に、火災が発生し、救助隊が現場に駆けつけ、その数分後に次の『シャヘド』が攻撃してきて、他の人を助けていた人の命を奪うのだ…。イランのそのようなシニカルな殺人は何のためなのだ? ロシアの手によるものだが、しかし、あなた方の、あなた方の武器によるものなのだ。あなた方、テヘランの人々、あるいはシーラーズの人々、あるいはサッゲズの人々、あるいはあなたの国のいずれかの街の人々は、そこから何を得ているというのだ? 残念ながら、世界からのさらなる孤立、さらなる問題を受け取っているのだ」と発言した。
その上で同士は、ロシアはウクライナに対して、屈服させようとして戦争を始めたと強調し、イランの人々は、自国をロシアの侵略のような悪の側につかせなければ、全く異なる生き方ができるだろうと指摘した。
写真:大統領府