クレーバ宇外相、アフリカ連合幹部と会談 「平和の公式」や食料安全保障につき協議
ウクライナのクレーバ外相は24日、エチオピア首都アジスアベバにて、アフリカ連合(AU)のアスマニ総会議長(コモロ大統領)とファキAU委員会委員長と会談した。
発表には、同会談は5月25日の「アフリカの日」を前に行われたと書かれている。ウクライナ外務省広報室が伝えた。
クレーバ氏は、アスマニ氏とファキ氏に対して、ウクライナのアフリカ諸国との関係活性化の方針を説明し、それが国、ビジネス、国民にとっての新たな互恵的機会を作り出すことになると発言した。
また同氏は、「ゼレンシキー大統領とアフリカの国々の首脳との活発な対話と、私の昨年秋の史上初のアフリカ大陸周遊は、ウクライナ・アフリカ関係にルネッサンスの始まりを与えた」と発言した。
同氏は、ウクライナはすでにアフリカの国々と国際機関での連携を著しく活発化させており、食料安全保障分野での協力を強め、ウクライナの戦時外交と情報面の脅威への対策に関するウクライナの経験を積極的に共有していると伝えた。
その他同氏は、ロシアの対ウクライナ侵略のアフリカ大陸の状況への悪影響、食料品価格の上昇、ロシアの傭兵集団「ヴァグネル」の活動活発化、社会・経済指数の低下に注意を向けた。
同氏は、「ロシアの対ウクライナ戦争は、世界中で感じられており、特にアフリカ大陸でそうだ。国連憲章の原則とウクライナの『平和の公式』に基づいてロシアの侵略に終止符を打つためには、努力の結集が決定的に重要だ」と強調した。
加えて同氏は、どのような和平イニシアティブもゼレンシキー大統領が提案した「平和の公式」のロジックに合致しなければならないとし、同公式は、とりわけ国連総会で採択された決議の項目を反映していると指摘した。
また、双方は、アフリカの食料安全保障について話し合った。クレーバ氏は、ゼレンシキー大統領のイニシアティブ「ウクライナからの小麦」によって2022年12月から2023年3月までの期間、ウクライナ政府は、6隻の船で17万トンの小麦をソマリア、ケニア、エチオピア、イエメンに届けたと報告した。内訳では、エチオピアに9万トン、ケニアに2万5000トン、ソマリアに2万5000トン、イエメンに3万トンだったという。そしてクレーバ氏は、近々その他の国にも農産物を送る船を出発させる予定だと伝えた。
さらに同氏は、黒海穀物イニシアティブが機能しているおかげで、5月初頭時点でアフリカの国々に計123隻の船で、330万トンの農産物が輸出され、それによっていくつかのアフリカの国々の食料状況が安定化したと説明した。
その点につき同氏は、アフリカ同盟に対して、ロシアに対して、黒海穀物回廊の活動を妨害しないよう、ウクライナの港を封鎖するのを止めるよう要求するよう要請した。
同氏は、「ロシアは食料を武器として使うのを止めるべきだ。ウクライナの穀物の障害のない輸出がアフリカ諸国が必要とする農産物を受け取るのを助けていく。私は、アフリカ連合に対して、ロシアに破壊的政策は受けいられれないことを明確に述べることを呼びかける」と伝えた。
写真:外務省