プーチンが武器を置くことが平和への一歩となる=フォンデアライエン欧州委員会委員長

欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員会委員長は11日、ロシア軍が武器を置き、ウクライナから撤退することが平和への一歩となり得ることだとの認識を示した。

フォンデアライエン氏が、欧州議会でのドイツ中道右派政党CDU/CSUの共同選挙プログラム発表会の際に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

フォンデアライエン氏は、ローマ教皇の最近の発言にコメントする形で、「ウクライナの人々以上に平和を望んでいる者はいない。プーチンに引きずり込まれたこの戦争に皆が非常に苦しんでいる。(中略)しかし、平和は本当のもの、公正なものでなければならず、一切の占領も一切の強制もあってはならないのだ。私たちは、プーチンが武器を置く瞬間が平和への一歩となり得ることを確実に知っている。彼は侵略者であり、彼がウクライナに侵攻したのだ」と強調した。

同氏はまた、平和の条件に関しては、独立した自由の国に暮らしたいと願うウクライナ国民の声を聞かなければならないとの確信を示した。

さらに同氏は、「私たちは、ウクライナがこの戦いに勝利できるようにするべく、同国に支援を与えている」と発言した。

その他同氏は、プーチン露大統領は力を使って国境を変えたがっているが、彼を成功させてはならないとし、欧州はウクライナ側に立っており、ウクライナが欧州家族の一員となることを望んでいると発言した。

同時に同氏は、「この世界の専制者、民主主義の敵、プーチンの友人にもまた、ここ、欧州で、私たちが民主主義と私たちの価値を守っていくことをわからせることが重要だ」とも指摘した。

これに先立ち、バチカンのローマ教皇がスイスのテレビ局「RSI」でのインタビュー時に、ロシアの対ウクライナ戦争に関して、「白旗を揚げる勇気を持つ者が強い」と述べて、ウクライナに協議を呼びかける発言を行っていた。

その後、バチカンのブルーニ報道官は、教皇の「白旗」との表現は、記者に提案されたものであり、軍事行動の停止、停戦を意味するものだと説明していた。その際同氏は、教皇はウクライナの人々を支持しており、全ての当事者に「公正で永続する平和模索をする上で外交的解決のための条件を作る」よう呼びかけたと伝えた。さらに同氏は、教皇自身が同インタビュー時に「協議は決して降伏ではない」と述べたことも補足している。

ウクライナのゼレンシキー大統領は10日、ロシア軍が欧州を前進できていないのは、ウクライナの人々が青と黄のウクライナ国旗の下で武器を手にしてロシア軍を食い止めているからだと発言している

日本の林芳正内閣官房長官は11日、ロシアによる対ウクライナ全面侵略につき、ローマ教皇が停戦交渉へ向かうことを呼びかけたことにつき、停戦交渉のあり方などウクライナの将来を決める交渉にいかに臨むべきかは、ウクライナの人々の意志によるものでなければならないとの見方を示している