「ロシアの対ウクライナ侵略から10年が経過 クリミアはウクライナである」=フォンデアライアン欧州委員長

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欧州連合(EU)のフォンデアライアン欧州委員長は11日、EUのウクライナの主権と領土一体性を支持する立場はロシアの侵略が始まってから10年経った今も不変であると発言した。

フォンデアライアン欧州委員長が第4回クリミア・プラットフォーム首脳会議の際にビデオメッセージで発言した

フォンデアライアン氏は、「ロシアがウクライナに対して侵略を始めてから10年が経過した。ウクライナ人は、勇敢に正義と民主主義と欧州的未来を求めた。ロシアは、半島の違法な占領でそれに応えた。しかし、クリミアとセヴァストーポリがウクライナであることは明白だ。EUは、ウクライナの領土一体性を支持することに疲れることは決してない」と発言した。

また同氏は、10年間でクリミアで、残酷な戦術を試す訓練場となったとし、ロシアはそれを今、占領するウクライナ領全体で適用していると発言した。さらに同氏は、ソ連時代のクリミア・タタール人追放の悲劇的な反響が戻ってきたとし、被占領下クリミアでは強制失踪、拷問、クリミア・タタール文化の意図的な破壊、ジャーナリストや人権擁護者への迫害が続いていると指摘した。

そして同氏は、「欧州は、ウクライナがこうした犯罪の1つ1つを記録することを支援している。私たちは共に、正義が確保されるようにする。正義なき平和は平和ではないからだ」と強調した。

その他同氏は、欧州の人々はウクライナの人々と同様に平和を強く望んでいるとしつつ、「しかし、公正で永続する平和である。本当の平和とは、戦争が再び起こらないことを保証するものだ。人々が自分たちの未来に集中できるような平和だ。だからこそ、ウクライナのEUへの統合が私たちの努力の中心にあるのだ」と伝えた。

加えて同氏は、夏に始まったウクライナのEU加盟交渉を歴史的な一歩と形容した。また同氏は、EUとその加盟国はウクライナに1180億ユーロの支援を提供してきたと喚起し、ウクライナ基金の資金は2027年まで保証されており、さらに多くの資金が提供される予定だと伝えた。

その上で同氏は、「ウクライナの精神を打ち砕こうとするプーチンの試みは失敗した。その代わりに、ウクライナは強くあり続け、私たちの人々はかつてないほど緊密だ。私たちは共に立ち上がり、自由で民主的なウクライナに献身しており、共に勝利するのだ。ウクライナに栄光あれ!」と語った。

なお、11日、第4回クリミア・プラットフォーム首脳会議が開催されている。

クリミア・プラットフォームとは、ウクライナが主導する、クリミア問題、クリミア人権問題、脱占領促進、欧州・国際安全保障強化を提起し続けることを目的国際調整メカニズムのこと。2021年に第1回クリミア・プラットフォーム首脳会議が開催され、首脳宣言が採択された。前回(第3回)は昨年8月23日にハイブリッド方式で開催された。今年の同首脳会議の開催は4回目となる。